HaaTのテキスタイル制作工程をひも解く展示に注目。

テキスタイルから発想するブランド、HaaT。トータルディレクター皆川魔鬼子のもと、クラフツマンシップを丁寧に落とし込んだ手触りの良い衣服と小物を提案している。

今回紹介するのは東京・八王子で長年培われてきた「多摩織」の技術を取り入れ、天然繊維である綿、絹、ウールの糸をチェック柄に織りあげた大判のストール「CREPE TARTAN」。かつて桑の都と呼ばれ、養蚕と製糸、織物業が盛んだった八王子において、約120年の歴史をもつ工場の職人が丹念に織りあげたものだ。

シャトル織機と呼ばれる編み機に、異なる色の糸で二重に織る「風通織り」を施し、カットして開くことで、空気に包まれるような軽やかなテキスタイルが誕生した。またテキスタイル上下左右の端には、職人による「撚り房」の技法でフリンジを施し、デザインのアクセントに。さらに中央部にストレッチ糸を織り込むことで、肩に自然と馴染むふっくらとしたテクスチャーが生まれると同時に、大胆なチェック柄が躍動感を演出する。

京都と東京で開催される展示では、職人による繊細な工程をおさめた動画とともにCREPE TARTANが紹介される。2024年10月1日（火）から11月27日（水）までISSEY MIYAKE KYOTO｜KURAにて、10月1日（火）から11月14日（木）までISSEY MIYAKE SHINJUKU｜SHIKAKUにて開催。独特の温かみある風合いに触れられるチャンスをお見逃しなく。