「WOW!」な驚きと楽しさが詰まった、ボッテガ・ヴェネタ 2025年サマーコレクション。
Fashion 2024.10.01
去る9月21日、ボッテガ・ヴェネタはクリエイティブディレクターのマチュー・ブレイジーが手がける最新コレクション、サマー 25をミラノで発表。
「子どもは、日常の中に冒険があります。どんなに空想的でも、なんだって起こり得るという感覚があり、普通の期待や慣習にそんなに縛られません。奇妙な現実や不可思議なもの、あるいは空想からの目覚めをかき消すようなあり得ないシナリオの可能性が広がっているのです。それは策略を上回る、誠実さが持つ力なのです」とのマチュー・ブレイジー。彼の意図は、過去と現在の夢想であり、ファッションが持つ救いの力と彼の大胆な想像力が結びついた青春の物語ー。
本コレクションは、新感覚のパワードレッシング、つまり誠実さ、遊び心、シックな不器用さが持つ力を表現している。流れや動きの中で、シルエットは日常の冒険を描く。不均衡なシルエットに表された、大人を演じるこども。一方で既存の大人の魅力や洗練は打ち砕かれ、壊され、シワだらけで混沌とし、そして再構築される。この無頓着さの根底には発見と実験を楽しむ屈託のないエネルギーがあり、そこにはイタリアらしい洗練が、若者たちの喜びに満ちた怖いもの知らずのエネルギーに吹き込まれている。
ユニークなのはこの物語の(これまでのショーにも出演してきた)"登場人物"たち。イタリア人実業家は自分の遊び場を作り、ビジネスマンは娘のピンクのリュックサックを背負って学校まで送り届ける。シックなミラネーゼはスーパーマーケットでの買い物帰り? そんな登場人物たちのさまざまな背景が想像できるランウェイには、着せ替えごっこの楽しさとワクワクするような体験が詰まっていた。
「私はいま一度、ファッションの持つ根源的な魅力を、そして見ること、発見すること、装うことの喜びといった思春期の心躍る感覚を味わいたいと思いました。WOW!という驚きや喜びに満ちた力です」とブレイジーはコメントを寄せている。
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ショーには、世界中からセレブリティが出席。ボッテガ・ヴェネタのキャンペーンにも登場したラッパーのエイサップ・ロッキーをはじめ、ケンダル・ジェンナー、ジュリアン・ムーア、ミッシェル・ヨー、ストレイキッズのアイエン、日本からは宮沢りえなど、国籍も年齢も多様なゲストが会場に華やかな彩りを添えた。
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遊び心に満ちたコレクションは、会場のセッティングにも。マチュー・ブレイジーが「箱舟」をイメージし、15種もの動物をザノッタ社のアイコニックなチェア「サッコ」からインスピレーションを得てデザイン。「ザ・アーク」と名付けられたこのチェアは、リミテッドエディションとしてザノッタ社がボッテガ・ヴェネタのために特別に生産した。一つひとつの作品は驚きと無限の想像力を表しており、子どものような創造性、ブレイジーが「WOW!の力」という言葉で表現する驚きや喜びを想起させる。
そしてこの「ザ・アーク」は現在、ボッテガ・ヴェネタのウェブサイトにて数量限定で発売中。ぜひこの機会にチェックして。
text: Natsuko Kadokura