2025年春夏パリコレクションを駆け抜けた編集長KIMによる、パリ日記。
服には作る人のキャラクターが反映されると痛感する3日目。
クロエのショーからスタート。シェミナ・カマリになって2回目のコレクションはロマンティックなお転婆娘のワードローブと呼びたい! 白や黒のレース、柔らかなパステルカラー、ヘルシーな肌見せ、風をはらむふんわりシルエットのドレスや、風にたなびくヘアスタイル...とにかくハピネスに満ちてる。会場を訪れるゲストたちを笑顔にさせるコレクション、シェミナの明るく元気な人柄もあいまって、毎回心地いい!
相対して、クリスチャンワイナンツはきちんとさんなキャラの人が作る服、という印象。清潔感のある知的な白や黒、計算を尽くして格子柄と格子柄を重ねたところから生まれる視覚的な美学、頭に巻いたスカーフさえ衛生的な。
スキャパレリは、むしろ大ぶりなゴールドのアクセサリー以外は、ウエアラブルな要素が大きかった。ヴァカンスライクなドレス、こちらでも目立ったブラック&ホワイト、綺麗なスーチング。ゴールドで福笑いのごとく顔を描いた縦長のミニバッグすら使いやすそう。
展示会に訪れたのは、ディオール、セザンヌ、レポシの3箇所。ディオールは、ショーではスポーティな演出とモデルのウォーキングのスタッカートなリズムで、軽やかさに気を取られたが、間近で見ると、ドレスのタック、流れるようなプリーツなど、ものすごくエレガント。レディディオールのバッグも素材感やサイズを微妙に変えて再登場、よりカジュアルに。ランウェイでも使われた新型のボディバッグも機能重視。いつも楽しみなのはディオールメゾンのラインナップが見られること。ムッシュ ディオールがラッキーモチーフにしていた星や花などにインスパイアされた柄行はとことん愛らしい。セザンヌでは子ども服もローンチ。レポシはガイア・レポシ直々の説明で世界限定数のタヒチパールの新作をお披露目。日本にはふたつだけ入荷するらしい。それにしてもガイアはずっと美女のまんま...マジックだ!