スタイリスト飯田珠緒が考える、大人のためのロマンティック。

Fashion 2024.12.24

スタイリスト飯田珠緒が追求する、一筋縄ではいかないロマンティック。ファッションへの愛と想いを、ぎゅっと詰め込みました。

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ピン付きタイ170ポンド/HORTI ヴィンテージターンテーブル¥550,000/ブラウン(ミーンズワイル) 

「イングリッシュローズのコサージュがあしらわれたピンクのネクタイは、存在そのものが唯一無二でロマンティック。ネクタイとコサージュのみを作っているロンドンのブランド、HORTIのもの。インスタグラムで、#軒先園芸観察という写真をコツコツと上げ続けています。ラテン語で"園芸"を意味するブランド名に思わず共感しました。スピーカー内蔵のブラウンのレコードプレイヤーは、ディーター・ラムスのデザインによるもの。いつか手に入れたいと夢見ています」。

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ジャケット¥238,700、シャツ¥92,400、ブーツ¥228,800/以上ドリス ヴァン ノッテン ネックレス¥40,000(参考価格)/カルヴェン(ICCF ジャパン) スカート¥87,450/シモーン ロシャ(ドーバー ストリートマーケット ギンザ) ストッキング¥4,180/ジラルディ(ガブリエル ペコ)

「私のワードローブの多くを占めているドリス ヴァン ノッテンの服。私にファッションの夢を見させてくれたデザイナー。彼自身が手がけたウィメンズの最後のコレクションからピックアップしたのは、満開の桜の花びらのようなピンクのジャケット。儚い美しさだけではなく、強く正しいものこそが美しいのだと私たちに教えてくれる服だと思います」。

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タンク¥70,400/ボッテガ・ヴェネタ(ボッテガ・ヴェネタ ジャパン) スカー¥1,078,000、シューズ¥196,900/ともにザ・ロウ(ザ・ロウ・ジャパン)

「ザ・ロウのごわっとしたボリュームのあるスカートを見た瞬間に、カジュアルで少年っぽさのあるタンクトップと、ボリュームあるスカートとの対比や、ちょっとした違和感をスタイリングで表現したいと想像しました。直接的なわかりやすさはありませんが、いわば香りのように、目に見えない気配までをも感じさせることがロマンティックだと思います。割れた鏡の上に置いてコラージュしたのは、可憐なスミレの花。紫のスミレの花言葉は"貞操""愛"。ファッションに対してはいつもこういう気持ちで、純粋で一途であり続けられたらという気持ちも込めて」。

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シアーボディスーツ¥18,700/ヨー ビオトープ(ジュンカスタマーセンター) ブラ¥15,500/グレイト エロス(ランジェリー アンド ハー フィルム) パンツ¥308,000/ボッテガ・ヴェネタ(ボッテガ・ヴェネタ ジャパン) ソックス¥4,950/ウォルフォード(リトルリーグ インク) シューズ¥137,500/ジャンヴィト ロッシ(ジャンヴィト ロッシ ジャパン)

「かっこいいものも可愛いものも好きだし、ロマンティックもパンクも同じくらい大切。その矛盾するような気持ちをスタイリングに落とし込みました。パンツスタイルだけど、決してマスキュリンではない。べーシックに見えて、少しだけ違和感がある。そういった相反する要素が共存するほうが自然だし、私らしいと感じます」。

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白鳥をのせたジュエリーボックス¥15,400/ソフィービル ブラーエ(ビオトープ) ローズコサージュ¥16,500/ラ・フルール スワンシュー¥300/欧風菓子 白鳥

「銀座千疋屋のパフェ、銀座ウエストの冬季限定メニューのいちごミルク......考えごとがしたい時、行き詰まった時、好きな喫茶店で甘い食べ物を前にボーッとします。空想することや夢見ることは、とてもロマンティックな行為だと思います。リアルとアンリアルを揺れ動く狭間が心地いいのです。シュークリームの白鳥がピンクのクッションにのっている様は、ボリス・ヴィアンの『うたかたの日々』のように不条理な可愛さをイメージしました」。

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モデルが着けた葉っぱモチーフのピアス¥181,500、右下のシャンデリアピアス¥217,800/ともにジル サンダー バイ ルーシー アンド ルーク・メイヤー(ジルサンダージャパン) シューズ(ヒール3cm)¥166,100/マノロ ブラニク(ブルーベル・ジャパン) 古代小麦のクッキー¥1,300(4枚1組)/薪火野イチとニ55

「レコード、大好きなクッキー、ピンクの石......言葉では表現できない感覚的なものを集めました。私はティーンエイジの頃と感性がほぼ変わっておらず、大人になりきれていないところがあると自覚しています。高価で素敵なものも好きだけど、道端に落ちている枯れ葉や石にも可愛さを見いだして、つい拾ってしまう。うっとりする美しさだけを追求するのではなく、ライフスタイルやさまざまなカルチャー、その時代とともにあるファッションが好きなんだと思います」。

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セーター¥214,500、リング¥73,700/ともにメゾン マルジェラ(マルジェラ ジャパン クライアントサービス) パン¥102,000/カルヴェン(ICCF ジャパン) デッドストックストッキング¥4,180/ガブリエル ペコ シューズ¥133,100/ジミー チュウ

「トラッドなネイビーのニットに合わせたのは、地厚でハリ感のある素材にレースをあしらったズロース。カジュアルな装いですが、足元はシアーなストッキングとパンプスという少しドレッシーでエレガントな要素をプラスしました。リアリティがあるのに、どこか夢見がち。私自身の服装にいちばん近いスタイルです」。

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上左:トップ¥110,000、ブラ¥46,000、スカート¥110,000(すべて予定価格)、ベルト¥50,000、シューズ¥113,000/以上カルヴェン(ICCF ジャパン) ショーツ¥5,500/ハンロ(ガブリエル ペコ) ティーポット¥27,206/シャーリンヌ ロバシュ(ジュンカスタマーセンター) 上右:蘭の花を活けたガラスボトル¥19,800/稲葉知子 背景のランジェリー左からスカート¥110,000(予定価格)/カルヴェン(ICCF ジャパン) ヴィンテージペチコート¥13,200/キュリオズ ボディスーツ¥24,200/ヨー ビオトープ(ジュンカスタマーセンター) キャミソール¥125,400、ショーツ¥82,500/ともにアン ドゥムルメステール(エム) ブラ¥15,500/グレイト エロス(ランジェリー アンド ハー フィルム) 

「ルイーズ・トロッターが手がけるカルヴェンは、それはもう欲しいものがたくさん! トランスペアレントなベージュのセットアップは、ウエストマークした細ベルトや重ねたブラなどアクセサリーの使い方も絶妙。着丈やコーディネートのバランスも完璧で、抜群にセンスがいい。久しぶりに服が欲しい!という興奮を覚えたほど」。

Tamao Iida
90年代、雑誌「オリーブ」でスタイリストとしての活動を開始。猫、ライブ参戦、プレミアリーグ観戦、軒先園芸観察がライフワーク。パリよりもロンドン、餃子よりも焼売、エッフェル塔よりも東京タワー派。
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問い合わせ先:
ICCF JAPAN 
03-6812-9861

エム
03-6721-0406

欧風菓子 白鳥 
03-3958-4425
https://peraichi.com/

ザ・ロウ・ジャパン 
03-4400-2656
https://www.therow.com/ja-jp

ジミー チュウ 
0120-013-700(フリーダイヤル)
https://www.jimmychoo.jp/ja/

ジャンヴィト ロッシ ジャパン 
03-3403-5564
https://www.gianvitorossi.com/jp_ja

ジュンカスタマーセンター 
0120-298-133(フリーダイヤル)

ジルサンダージャパン  
0120-919-256(フリーダイヤル)
https://www.jilsander.com/ja-jp/

ドーバー ストリート マーケット ギンザ 
03-6228-5080
https://ginza.doverstreetmarket.com/

ドリス ヴァン ノッテン 
03-6778-7975

ブルーベル・ジャパン 
03-5413-1050

ボッテガ・ヴェネタ ジャパン 
0120-60-1966(フリーダイヤル)
https://www.bottegaveneta.com/ja-jp

薪火野イチとニ 
https://makibino.com

マルジェラ ジャパン クライアントサービス 
0120-934-779(フリーダイヤル)
https://www.maisonmargiela.com/ja-jp/

ミーンズワイル 
03-6413-8995

ラ・フルール
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ランジェリー アンド ハー フィルム
http://www.thelingerieandherfilm.com/

リトルリーグ インク 
0800-100-2274

*「フィガロジャポン」2024年12月号より抜粋

photography: Taro Mizutani (Be Natural) styling: Tamao Iida  hair: Asashi (ota office) makeup: Asami Taguchi (Home Agency)

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