超トレンドアイテム、赤い靴下のパワーを取り入れる。
Fashion 2025.01.03
今シーズン、色付きの靴下、特に赤色のものが至る所で確認された。このファッションアイテムは、単なるディテールではなく、センスの良さを引き立てるものとして注目を集めている。
エレガンスの真髄は、細部に宿ることが多い。スーツのボタン、シャツの襟、靴紐、そして......ソックスの色。とりわけ靴下は、その人のスタイルや好みを完璧に測ることができるバロメーターと言えるだろう。しかしファッションにおいては、時に自分の信念を取り払うことが求められる場合がある。
今シーズン、私たちが真に手に入れるべきアイテム、赤い靴下に焦点を当てよう。なぜそれが私たちの欲望を二分するかを理解するには、ファッションの歴史、さらには歴史全般を少し紐解く必要があるようだ。
赤い靴下は、何世紀にも渡って、カトリック教会の枢機卿たちによって着用されてきたように、権力と高い地位を象徴するものだ。1798年以来、枢機卿たちはローマのサンタ・キアラ通りにあるパンテオンの隣のガマレッリから靴下を仕入れている。ヴァチカンの聖職者たちの服を仕立てるこの店は、スコットランド製の毛糸で編んだソックスを販売するのだが、この靴下は、宗教関係者だけでなく、セレブリティやファッション愛好家、そして政治家まで幅広く支持されており、元仏首相のエドゥアール・バラデュールやフランソワ・フィヨンなどがその先駆者だ。イタリア以外ではフランスでも購入可能で、パリのブティックまたはウェブサイトMes chaussettes rouges.comで購入できる。
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象徴的なアクセサリーになる、明るい「レッド」
そして2024年には、赤い靴下は権力の象徴を帯びた、ちょっとした独創性を持つ存在になった。長い間、男性の特権だったのが、いまでは誰もが履くようになっている。これは、数シーズン前に始まった「靴下マニア」たちの功績もあるだろう。デザイナーたちは、長い間隠されてきたこのアイテムを、ランウェイの真のスターにするために採用したのだ。ほんの数例を挙げると、ヴィクトリア・ベッカム、ジル・サンダー、ミュウミュウなどがその代表格だ。現在ではパンプス、ローファー、サンダル、さらにはバレエシューズに合わせて履くほど、赤い靴下はポピュラーなものになっている。
赤い色に注目が集まる前は、靴下といえば白が定番だった。いまや色付きのものが主流であり、メッセージが込められた存在になっている。とりわけ現在では、カーマインレッドやカーディナルレッドの靴下が求められているが、それらの明るい赤、または少しバーガンディがかった赤、チェリーに近い赤は、ファッションだけでなく、装飾、キッチン、さらには自動車でも主力の色になりつつある。Pinterest では、「チェリー バイブ」の検索数が 325%、「チェリー レッド」の検索数が 235% 増加したという。
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赤い靴下、履くならショート丈以外で
靴下の話に戻ろう。そして、この記事の発端となった疑問に答えることにしよう。赤い靴下を履くべきか、否か? 答えは、断然イエスだ。なぜなら、赤い靴下は誰もが手に入れられるファンタジーだからだ。クラシックなシンプルスタイルが好きな人でも、最先端のファッショニスタでも履くことができる赤い靴下は、タイツ、ニーハイ、またはハイソックス(ショートソックスはNG。もう2017年ではないのだから)といった異なる形状に変わったとしても、アクセサリーとして身に着けられるだろう。
そんな赤い靴下は、あらゆるスタイルだけでなく、性別を問わず、さらにはすべての社会階級を満足させるという危険な試みに成功しているように見える。高級ブランドであっても、それは手頃な価格の靴下であることに変わりはないからだ。もちろん、非常に希少なアカシカの一種であるセルベルトの毛で作られた靴下もあり、その場合は1足1,000ユーロ以上する。しかし、ベーシックなガマレッリの靴下だと、20ユーロ程度だ。この冬、足元を暖かくしておしゃれにするには、何をすべきかもうお分かりだろうか?
From madameFIGARO.fr
text: Elvire Emptaz (madame.lefigaro.fr) translation: Eri Arimoto