mila schon by chika kisada 幾左田千佳が語る、ミラ ショーンの美学とは?
Fashion 2025.02.25
PROMOTION
「ミラ ショーン バイ チカ キサダ」はふたりの女性デザイナーの美意識を結晶させたブランド。23年春夏のデビューから5シーズン目、ミラ・ショーンとの出会いに「宝石のようなときめきを感じた」という幾左田千佳がクリエイティブディレクターとしての思いをあらためて語る。
貴族出身のマダムがイタリアンエレガンスを掲げて1958年に創設したミラ ショーン。その老舗ブランドの遺産を幾左田千佳が現代女性のワードローブとして再解釈したのが「ミラ ショーン バイ チカ キサダ」だ。バレエをモチーフにした自身のブランド「Chika Kisada」で常に身体を向き合ってきた幾左田は、そうした自分の感覚や培ってきた経験をミラ ショーンの歴史に加えながら、このブランドならではのアイデンティティを探求していきたいという。
「作品ひとつひとつというよりマダム ミラ・ショーン本人が私のインスピレーション源。貴族の生まれでオートクチュールの顧客でもあった彼女は独自のスタイルを持った信念の女性。憧れの存在でもあり、彼女の目線をいつも意識しています。そのうえで私ならではの強みをどう足していくか、自分の軸をぶらすことなく彼女の美学をいまの時代に合わせてブラッシュアップしていくつもりです」
もともとブランドが得意とする端正なカッティングのジャケットやドレスに幾左田は自分のエッセンスである動きの余韻を加えていく。
「アーカイブにはかっちりとしたアイテムが多いのですが、そこに人が動いたときの残像のようなムードを加えることができれば、私らしいミラ ショーンが表現できるのではないかと思っています。余韻を感じるデザインをこれまでも追求してきましたし、人が動くことで美しさが際立つというのが私らしいアプローチ。儚さと強さという相反するものがひとつになったとき空気に色が見える。そういうコントラストは私独自のこだわりだし、このブランドのクリエイションにも反映させています」
もうひとつ彼女がこだわったのが、ミラ・ショーンが放つイタリア的な曲線美を極めること。
「女性の身体を表現するだけでなく服のフォルムそのものにイタリア特有のエレガンスを感じたのです。襟ぐりや肌の見せ方、袖の振り方、微妙なゆとりなど私が解釈した曲線美を、プロダクトチームととことん話し合って、ジャケットのトワルとして再現してみました。ミラ・ショーンが肌で知っていた洗練を自分のなかで見つけられたような気がして。歴史あるブランドを受け継ぐプロジェクトだからこそできた素敵な経験でした」
そのトワルが体現する美のカタチを軸に、さらに完璧を求めてチームとともにシーズンを重ねてきた。
「職人技を持ったプロダクトチームといい関係が築けて、自分の求める完成度に近づいているという手応えを感じています。2025春夏もテーラードジャケットやオーバーサイズのアウターなどシルエットの美しさにこだわったアイテムが自信作。テーマのユーモアというのはマダムのキャラクターそのもの。彼女のように人生を謳歌する自立した女性にそのユーモアを肌で感じながら着てもらいたいですね」
女性の目線というのは当初から変わらないふたりの共通点。「チャーミングで内面から湧き出るエネルギーを持っている」とマダム ミラ・ショーンを評する幾左田の言葉は、そのまま彼女自身にも当てはまる。ふたりのエネルギーがダブルで込められていること。それがこのブランドのなによりの魅力かもしれない。

幼少期よりクラシックバレエを学び、バレリーナとして活動後デザイナーに転身。2014年バレエを着想源にしたブランド「Chika Kisada」を設立。2016年にTOKYO FASHION AWARD 2017受賞。2018年 FASHION ASIA HONG KONG 2018受賞。2023年「ミラ・ショーン」を自身の視点でディレクションする「ミラ ショーン バイ チカ キサダ」を始動。
コロネット 03-5216-6515
interview & text:Kaori Tsukamoto