ルイ・ヴィトンが世界遺産アヴィニョン教皇庁で圧巻の2026年クルーズコレクションを発表。Stray Kidsのフィリックス、広瀬すずなど豪華セレブも来場。
Fashion 2025.05.24
5月23日(日本時間)、ルイ・ヴィトンの2026クルーズ・コレクションが発表された。
建築に造詣が深いことで有名なニコラ・ジェスキエールがアーティスティック・ディレクターに就任した翌年(2014年)にスタートしたクルーズ・コレクションは、メゾンの「旅の真髄(こころ)」の精神を反映し、ショーは世界各地の建築と関連づけている。今回選ばれたのは、南仏で世界遺産に登録されている街、アヴィニョンにあるアヴィニョン教皇庁だった。

中世、ローマ教皇が住居にしていたゴシック様式の宮殿で、4基の塔を備え、高さ50mの外壁で囲まれている。大広間、礼拝堂、教皇の私室などが一般公開されており、今回ランウェイが設置されたのはクール・ドノール(前庭)。毎年7月に開催されるアヴィニョン演劇祭で舞台芸術が披露される場だが、ファッションショーに使用されるのは初めてだという。今回は出演者と観客の位置を反転させ、ステージ上に赤いベルベットで覆われた木の椅子が用意され、ランウェイが本来の客席にまで続いた。


ランウェイが点灯し、ショーがスタート。モデルたちはまるで花道を進むかのように客席を横切り、やがて観客たちが待つステージへ。そして客席へと戻っていく。
ファーストルックは、甲冑を思わせるメタリックのミニドレス。アヴィニョン教皇庁が建てられた中世のムードが感じられ、舞台衣装のような様相もある。

戦火を彷彿とさせる炎のようなモチーフも。

冒頭はミニスカートやAラインが続き、1960年代の薫りもしてくる。美しい柄の織りや刺繍、手の込んだレザーの細工も目を引いた。


豪華な装飾や曲線のデザインを用いるバロック様式を思わせるスタイルも。


フィナーレはモデルたちが客席でポーズ。ランウェイを歩いた後バルコニーに並んだ2025-26年秋冬にリンクする演出だった。
もちろんアヴィニョン教皇庁が建てられた時代や、建築様式、現代の用途などに着想を得ているが、ニコラの代名詞であるフューチャリスティックな要素なども融合させ、見たことのないクリエーションに。歴史的でもあり現代的、ファンタジーでもあり、リアルでもある。いつもながらさまざまなカテゴリーを軽やかに超越したコレクションだった。
Stray Kids フィリックス、広瀬すずら華やかなセレブたちが集った会場も話題に。




















text: Itoi Kuriyama, photography: Louis Vuitton