PAUL & JOE ポール & ジョーが創設30周年! 「チャーミングな大人の女性へ」クリエイティブディレクターのソフィー・メシャリーが描く未来。
Fashion 2025.10.28
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大人の女性たちも楽しめる愛らしいモチーフやキュートな色使いが魅力的なポール & ジョー。日常を華やかに彩る高揚感とパリのエスプリが魅力のブランドは今年で創立30年を迎え、更なる飛躍を見せている。2025年10月、これを記念したポップアップストアの開催に際して来日した、創立者でクリエイティブディレクターのソフィー・メシャリーにインタビュー。彼女が描く、未来とは?
自分が楽しくなることを、届けたい。

――ポール & ジョーは30周年を迎えました。いまのお気持ちは?
ソフィー・メシャリー(以下ソフィー):とても幸せです。30年以上続けてこられたこと、それだけで感慨深いもの。けれど、私の中では常に新しい発見や喜びがあって、10年ごとに変化が訪れる。いまはまさに"自分が本当にやりたいことを自由に形にできる"時期にいる気がします。情熱は、いまも昔も変わりません。
――キャリアを重ねて、ものづくりの向き合い方に変化はありましたか?
ソフィー:より厳しく、より完璧を求めるようになりました。フランスの職人技、メイド・イン・フランスであること、美しい素材や仕立て......そうした"手仕事"に対するこだわりが年々強くなっています。人の手で生み出されるものには、感情と温もりが宿る。機械による製法では決して表現できないものです。
――ブランドを続けてきた中で印象に残っているコレクションや出来事はありますか?
ソフィー:どの瞬間も大切だし、すべてが特別で、毎シーズン、素晴らしいコレクションだと感じています。何より重要なのは、自分たちの"アイデンティティ"を失っていないこと。それがすべての核なのです。
もし、私の記憶に残る出来事をひとつ挙げるなら、ウディ・アレン監督が映画『マッチポイント』の撮影場所としてロンドンのブティックを選んでくれたことでしょうか。彼自身が、ポール & ジョーを気に入り、スカーレット・ヨハンソンが劇中でポール & ジョーで働く設定にしてくれました。思いがけない出来事でしたが、ブランドの世界観が映画の中で生きたことが本当に嬉しかったです。
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ファッションとビューティの深い結びつき。

――2002年からコスメティックラインをスタートしたことはブランドにどう影響しましたか?
ソフィー:とても誇りに思っています。すべてのブランドがコスメティックラインを持てるわけではないもの。ポール & ジョーがそれを実現できたのは、ブランドそのものに十分な強さと独自性があったからこそ、自分たちの世界観を"美しさ"という形でも表現できるのだと思います。
そして、ファッションとビューティの2つは、深く結びついていると思います。いまでは多くのブランド、そしてセレブリティたちまでがコスメティックラインを手がけていますが、20年前にファッションブランドがコスメティックラインを始めるのはとても新鮮な試みでした。私にとっては、服のデザインと同じようにコスメも"色彩"と"モチーフ"が軸となります。特にパッケージデザインでは、ファッションと同じ遊び心やエスプリを込めているのです。
――長年、ブランドを継続していく中で変わったこと、変わらないことは?
ソフィー:変わらないのは、仕事への情熱と"より良く"を目指す姿勢。30年の経験を経て、自分の中の優先順位が明確になり、時間の使い方がずっとシンプルになりました。一方で、ファッション業界は大きく変化している。特にこの10年、人々は大量に消費するのではなく、"本当に好きなものを長く愛する"方向へとシフトしていると思います。いまの時代は"少なく、でも上質に"。私自身もその流れに深く共感しています。
――2026年春夏のコレクションについて教えてください。
ソフィー:テーマは"ガーデン"。私は花が大好きなんです。今回も花々のプリントや鮮やかな色彩をシックにまとめ、エレガントでありながら遊び心のあるコレクションに仕上げました。繊細な刺繍やレースのディテール、そしてフランス製の美しいテーラリング。クラシックなフォルムとポール & ジョーらしい軽やかさ、そのバランスを追求しました。
――素材へのこだわりも強いですね。
ソフィー:もちろんです。イタリアやフランスの老舗メーカーの生地を使っています。100年以上続くメゾンも多く、そのアーカイブを現代的に再構築するのが好き。色を少し変えるだけで新しい命が吹き込まれるんです。それが楽しくて、仕事というより遊びのような感覚ですね。
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これからのポール & ジョー、そしてキャリア。
――長男さんも一緒にメンズラインを手掛けているとか。
ソフィー:4年前から長男のジョーがメンズラインのクリエイティブディレクターを務めています。彼は幼い頃から私の仕事を見て育ち、自然とデザインに興味を持ったようです。いまはそれぞれの視点でアイデアを出し合いながらも、彼の自由な感性を尊重しています。母と息子という関係で一緒に働くのは簡単ではないけれど(笑)、お互いの信頼があるからこそ続けられる。血だけでなく、感性でもつながっていることが何よりの幸せですね。
――最後に、これからの夢を教えてください。
ソフィー:ただひとつ、"楽しみながら働き続けること"。情熱と遊び心を忘れず、創造する喜びをずっと大切にしていきたい。そして、子どもたちがそれぞれの分野で輝き、いつかポール & ジョーを受け継いでくれたら......それも素敵な未来だと思います。
photography: Aya Kawachi text: Tomoko Kawakami




