COLLECTION
2021/22 Autumn & Winter
Valentino
ヴァレンティノ
ヴァレンティノ、黒と白で表したパンクなエレガンス。
パンデミックの影響で劇場が閉鎖されているミラノ。21年秋冬シーズンの「ヴァレンティノ アクト コレクション」は、ミラノの歴史と文化の象徴、劇場「ピッコロ・テアトロ・ディ・ミラーノ」で無観客ショーのライブ配信を行った。「いま劇場を再開しショーをすることは、パンクのジェスチャーと言っていいでしょう。これは私たちの国の文化的な場がリスタートするプロセスでもあるのです」とクリエイティブディレクターのピエールパオロ・ピッチョ―リは、自身のインスタグラムで述べた。舞台ではイギリス出身のシンガー、コジマがミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団の弦楽五重奏とともに、圧巻のパフォーマンスを披露した。
今シーズン、強い思いを胸にピエールパオロ・ピッチョ―リが表現したのは、黒と白で際立てた、ハサミで切り裂いたような新しいプロポーション。モデルの前髪は切り揃えられ、ドレスやスカートはスーパーショート丈に刷新。ジャケットやピーコートはシルエットをケープに変え、ひし形や‟V”のモチーフなど幾何学パターンで彩った。足元は、スタッズ付きのヌーディなハイヒールを合わせて官能的に。究極にシンプルな色と柄、そぎ落とされたシャープなシルエットでパンキッシュな強さを秘めた、新しいロマンティシズムを描いた。
また、チェーンストラップやボディ全体にスタッズをデコレーションした新しい「ロックスタッズ」バッグや、クチュールの技術を注ぎ込んだ「アトリエ」シリーズからラバー素材のブーツが登場。花びらモチーフを立体的にデザインした一足は、緊張感のあるムードに甘いエッセンスをもたらした。
photos:Imaxtree, texte:MAKI SHIBATA
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