【秋の夜長に乙女な小話 #03】クラシカルなハット。
Fashion 2019.09.22
フェミニンでロマンティックな世界観を提案する、スタイリストの小嶋智子とイラストレーターの岡崎マリー。高校より友人のふたりが考える、この秋気になることや欲しいものとは? いま新しく手に入れたいファッション小物は、靴やバッグではなくハットと語る小嶋さん。そこから見えてくる、いまの気分なスタイルや女性像とは。
クラシック回帰、いまハットが気になる。
――おふたりは、秋という季節をどう感じますか?
小嶋 きたきた、って。ぞくぞくする感じがあるよね。
岡崎 そう。想いがこもっている感じがするね。じわじわと、内側から想いが滲み出てくるイメージ。秋は、明るくはないんですよね。でも温もりがある。
――そんなミステリアスな秋、身に着けたい小物やアクセサリーはありますか?
小嶋 今年は靴やバッグというよりも、ハットが気になります。
岡崎 わたしも同じ。ニナリッチのコレクションを見ていたんですけど、ハットが大きいから、顔は口元しか見えないんですよね。コーディネートは女性らしいのに、顔は覆われてるというバランスがおもしろいですし、秘めている感じが素敵だなと。
昔の、いわゆるクラシックの感じとも違うと思うんです。昔はもっと小さくバケットハットとかを被っていたと思うんですけど。それが現代バージョンになるとこの形なのかなと。
小嶋 クラシックの進化形だよね。いままでのクラシックをより削ぎ落した感じ。個人的には、昔から大好きなニナリッチとヴァレンティノからハットが出たのがうれしかった。そういう気分の時なんだろうなと。
――フェミニンではありますが、いままでのフェミニンの提案と違いますよね。
小嶋 いままでのロマンティックのイメージ、たとえばオーガンジーとかレースの感じに飽きてきたのかな。いまはもう本当に削ぎ落して、それでもフェミニンに見える服が気になる。だからこのハットもそうなのかも。
全体的に、過剰な装飾とかがなくなってきたのかな。エコでいこうよというムードですし。
――いい意味で、全体的に力が抜けてきたのかもしれないですね。
小嶋 そう思います。いろいろとやって、いますべてが抜けていった感じですよね。ストリートに、ロマンティック……。すっとすべてがなくなって、いまあらためて見つめ直したい、削ぎ落したいムードになっているというか。その中でも見えてくるもの、となった時に、それでもロマンティックが好き、とか。そういう流れなんですよね。
ここからが楽しいのかもしれないです。1回削ぎ落してから、何をプラスしていくかっていう。だから選べない分、たくさん選ばない分、選ぶひとつひとつがすごく大切になってきます。
岡崎 エシカルにもつながりますね、この話。自分のいちばんだけを選ぶという。
小嶋 ニナリッチは、次の春夏このハットが麦わらになると聞いたんです。絶対可愛いですよね。これをアイコンとして進化させていくらしくて。やっぱり、このムードは一瞬の気持ちじゃなくて、続いていくんだなと。一度この形を定着させてから、展開させていく。いままでだったら、若干物足りないような気もするくらいシンプルですけど、いまはこれで十分ですし、これが可愛い。
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※この記事に記載している価格は、2019年9月時点の8%の消費税を含んだ価格です。
stylisme : TOMOKO KOJIMA, illustrations : MARY OKAZAKI