【大人の東京ブランド #01】いま着たい、私たちのデイリーなユニフォーム。
Fashion 2020.04.10
さまざまな着こなしを経た大人の女性が求めているのは、余計なものを削ぎ落とした服。シンプルで洗練された美しさがありながら、時代の空気と遊び心を感じる服。そんな気分に寄り添うのが、東京発のブランドたちだ。今回は全3回にわたって、注目の6ブランドをピックアップ。ブランドコンセプトやデザイナーのコメントから、その魅力に迫る。
第1回は、ともに‟ユニフォーム”を今季のキーワードに掲げた「アキコアオキ」と「アンスクリア」にフォーカス。
アキコアオキ / AKIKOAOKI
ロンドンのセントラル・セント・マーチンズで学んだ青木明子が、2015年春夏シーズンからスタート。 目指すのは、‟現実に潜むファンタジーを、本質的な感覚で切り取っていくこと”。ファッションを生きる行為そのものと捉えて、纏う人の生き方や姿勢が感じられる服を提案する。
▶▶ デザイナーへの、3問3答。
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イメージする女性像は?
自身の装いを時代の変化とともにポジティブに楽しむ女性。
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2020年春夏のテーマは?
Tribal uniform
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デザインのインスピレーション源は?
日常の中にある違和感。大小すべての出来事について、なぜ起こったのか、どんなプラスとマイナスの面があるのかを考える癖があります。そういった思索が、自分の中で‟いま”を表現する服へと繋がっていきます。
‟Tribal uniform”というテーマは、物があふれる時代に、自由の中に潜む不自由さを感じたのがきっかけ。世代を超えて共有されている民族衣装としてのユニフォームと、一般社会の中でユニフォームとされているアイテム(シャツやジャケットなど)を融合させることで、新たなユニフォームができるのではないかと考えました。具体的には、生地の自然なドレープや落ち感を生かしながら、穏やかでありつつ現代的で力強いデザインに仕上げました。
私にとって、ファッションは最も時代を映し出すツール。日々さまざまな変化がある社会の中で、‟時代の体現”と‟女性の個人的な視点”の両軸から、次世代に繋がる人間像を提案していきたいです
▶▶ Recommend Items
ショール風の袖やベルト部分など、民族衣装風のディテールをモダンに仕立てたトップス¥42,900/アキコアオキ
コルセットベルトを重ね着したかのようなプリーツスカート。水墨画タッチのプリントが目を引く。スカート¥97,900/アキコアオキ
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アンスクリア / INSCRIRE
数々の人気セレクトショップでMD、バイヤー、デザイナーとして活躍した岡 ゆみかが2017年秋冬シーズンからスタート。‟STREET LUXURY”をコンセプトに、普遍的でありながら遊び心のあるスタイルを提案する。
▶▶ デザイナーへの、3問3答。
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イメージする女性像は?
自分のスタイルを持ち、強さと優しさを備えた女性。
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2020年春夏のテーマは?
UNIFORM
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デザインのインスピレーション源は?
身の回りのもの、こと。また、ヴィンテージが好きなので、常に歴史に敬意を払いながらものづくりをしたいと思っています。
今季は、さまざまな文化が交ざりあう東京で働く、タフな女性のための‟ユニフォーム”をイメージ。セットアップを中心に、テーラードやクリーンな素材を使ってモダンに仕上げています。色は、日本の緑や梅雨を思わせるスモーキートーンなど、ナチュラルなカラーパレット。アンスクリアが掲げるミリタリー、ヴィンテージ、モード、ワークといったキーワードをベースに、ミニマル&シックな新しいユニフォームを表現しました。
時代の空気を取り込みながら、素材やトラディショナルなアイテムにこだわった本質的なものづくりがしたいと思っています。日常に新鮮な驚きと刺激を与えてくれるひとときの恋のような存在であると同時に、じっくり時間をかけて愛することができる存在でもある。そんな、アンビバレントな感情を抱かせるブランドでありたいです
▶▶ Recommend Items
メンズライクなアイテムを光沢のある素材で仕立てることで、逆説的に女性らしさが引き立つ。カバーオール¥59,400、パンツ¥49,500/ともにアンスクリア(アマン)
大きく開いた胸元やきゅっと絞ったウエストなど、ワークやミリタリーをモダンかつフェミニンに昇華したセットアップ。トップ¥64,900、パンツ¥53,900/ともにアンスクリア(アマン)
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photos : ASA SATO, réalisation : NAOKO MONZEN