独占密着! SINMEとブラックパール in タヒチ
Jewelry 2019.07.05
女優やモデルなど幅広く活躍、ファッショニスタとしても多くの女性たちに支持され、本誌「フィガロジャポン」のボーテスターとしても人気の板谷由夏。
彼女の経験や感性からリアルな目線で提案するSINMEは、シャツとデニムからスタートしてから4周年を迎え、いまではより多くのファンに愛されるブランドに育った。
昨年からはジュエリーコレクションも発表し、さらに女性たちのおしゃれと心を輝かせている。
そのSINMEからこの夏、満を持して発表されたのが、ブラックパールのコレクションだ。
「パール」は板谷由夏の誕生石でもあり、彼女にとって昔から特別な存在。
乳白色が主流のパールの中でも、自身が40代になり、「やっと似合うようになってきた」と、この数年、深く興味を持っていたのがブラックパールだ。
そんな思いをもとに、昨年末、偶然にもタヒチを訪れた友人をきっかけに始まったのが、SINMEとブラックパールのストーリー。
ブラックパールのことをもっと知りたい! と新しいコレクションに向けタヒチへ!
そこで繰り広げられるブラックパールの物語とその思いを聞いた。
訪れたのは、成田空港から週に2便、直行で運航されるエア タヒチ ヌイで、首都パペーテがあるタヒチ島から、さらに国内線で50分の所にあるボラボラ島。
中央にはオテマヌ山がそびえ、その周囲を約40kmのリーフ(岩礁)が囲む、海の美しさや透明度は想像以上。
まさに「太平洋の真珠」と呼ばれるほどフランス領ポリネシアの中でも最も美しいとされる島だ。
船着き場からジープに乗って向かった養殖場は、世界のビーチ100選で第1位に輝いたことがあるマティラビーチの近く。
そこでブラックパールができるまでの話を聞いた。
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魅惑のブラックパールができるまで。
その名のとおり、黒蝶貝から生まれるのがブラックパール。
なんと、タヒチアンパールは、日本人がその養殖技術を伝え、現在でも受け継がれているものだそう。
珊瑚礁や山からのパワーと、外海から豊富なミネラルが流れ込む南洋の海は、ブラックパールの養殖に最適な環境に。
まずは黒蝶貝の稚貝を養殖カゴに入れ、2年ほどかけて海中に吊り下げて育て、成長した母貝の体内に丸い核と、ピース(外套膜切片)を挿入する。
この工程がとても重要で、とてもデリケートなため、きちんと技術を得るためには10年ほどの経験を必要とするとも。
ベースとなる核のほとんどは、アメリカのミシシッピ川流域に生息する、厚みのあるドブ貝を使用。
この核に貝殻をつくる組織(外套膜)が入り込むと、外套膜が真珠質を出して核を包み込んでいく。その表面が「真珠層」で、真珠層は「外套膜(がいとうまく)」から分泌される真珠質の結晶なのである。




真珠が育ったら、貝を開け、一個一個丁寧に真珠を採取。
収穫した真珠は、色、サイズ、クオリティ別に分けられる。
同じ環境で育った真珠だが、同じ色や形はひとつとして無く、品質に差が生じるのは、生きている証。
一般にはきれいなラウンド形がよいとされているが、バロックなどの変形も、自然が作り上げる独特の美しさや輝きがある。
色もさまざまで、主に黒・緑・黄色の色素を持つため、天然色ならではのミステリアスなグラデーションは、見ているだけで吸い込まれそうなほどの引力。
タヒチのブルーラグーンが育んだ、神秘の色なのだ。
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SINMEのディレクター、板谷由夏に話を聞いた。
SINMEのブラックパールコレクションのビジュアルは、コンラッド ボラボラ ヌイのパワースポット、ブラックロックで撮影!
―― ブラックパールを手がけた訳は?
SINMEはブランドの起源でもある「“デニムとシャツ”に似合うもの」がコンセプトのひとつ。
白の無垢さもいいけれど、カーキやシルバーなど、さまざまな表情を魅せるブラックパールは、より大人っぽさを引き出してくれます。
デニムに白いパールが似合うのは想像できるけれど、実際にブラックパールを身に着けてみると、カジュアルなスタイルにもよく似合う。
特に40歳を過ぎてから、いまの自分のスタイルや気持ちにもフィットしてきました。
ダイヤモンドからスタートしたSINMEのジュエリーコレクションですが、パールを手がけるならブラックと決めていました。
いつもデザインする際は、その時の気持ちをダイレクトに伝えるように、ライブ感を大切にしています。
なので、クラシックなものが多いブラックパールを、普段使いできるようにデザインすることで、SINMEで提案することの意味を持たせました。
―― タヒチで感じたことは?
実際にタヒチへ行き、素晴らしい大自然が、たくさんのインスピレーションを与えてくれました。
海に入って、山に登って、自然の雄大さを肌で感じたことで、ダイヤモンドなどの鉱石とは違ったエネルギーを感じ、美しい海や大自然で育ったその一粒一粒が、とっても愛おしくなりました。
きれいなものもいいけれど、個性があるものも好き。
「このパールはとても暴れん坊! 貝の中で暴れていたから、ちょっと形がいびつに……」なんて聞くと、そのストーリーに惹かれて、デザインが浮かんだり。
そして、パールのもとになる核がミシシッピ川の貝だったり、日本人がタヒチに養殖真珠の技術を伝え、ずっと継承し続けている、というストーリーにも感動しました。
どんなことでもストーリーを感じるものが好き。
SINMEを始めるきかっけも、デニムにはストーリーがあるから。
はいて育てて、数年後に自分だけの一本になる、そこがデニムの魅力のひとつ。“育てる”という思いも込めて、ブランド名もSINME(新芽)にしました。
そう考えると、パールとデニムはどこか似ていますね。
タヒチでは、ほとんどの女性がブラックパールをお守りのように日常的に着けていて、とても魅力的でした。
だから、特別ではなく、日常に取り入れていただけたらいいなと思っています。
デニムにTシャツにブラックパールとか!
―― SINMEで伝えたいことは?
SINMEの制作時にいつも思っていることは、SINMEを身に着けた方がハッピーになってくれること。
イベントで接客させていただいている時でも、お客様が試着室から出てくる瞬間が好きです。
お気に入りの服やジュエリーを着けている時って、それだけで一日楽しく過ごせたりするもの。
その日のコンディションも決まる!
そう考えると生活の中で、ファッションやジュエリーの存在は大きなシェアを占めますね。
出会いは人生を活性化してくれます。
SINMEとの出会いで、少しでもハッピーになっていただけたら。
そして、新しいコレクションをファーストブラックパールとして選んでいただけたらうれしいです。
ブラックパールのコレクションはピアス、リング、ブレスレットの3種。手持ちのアクセサリーとコーディネートを楽しめるように、ピアスは片耳のものが多い。すべてゴールドとの組み合わせなので、大人の魅力を引き立ててくれる。
photos:SADRY GHACIR, coiffure et maquillage:MAKI MURAKAMI (BORA BORA MAKI STUDIO)