ショーメ:ヴァンドーム広場に煌めくハイジュエリーの新作(3)
Jewelry 2023.03.07
1月末、オートクチュール・ファッション・ウィークが開催されたパリで、ヴァンドーム広場のハイジュエラーたちも新作を発表。ここに紹介するショーメ 、ルイ・ヴィトン、カルティエは継続するテーマにおいて、各メゾンが創業以来守り続けている芸術性と豊かなサヴォワールフェールの組み合わせによるクリエイションの輝きを披露した。
リアンのハイジュエリー“アンセパラブル”。
ショーメが発表したのは9点のカプセルコレクション「Liens Inséparables(リアン アンセパラブル)」。リアンをテーマにしたハイジュエリーの発表は約20年ぶりと久しぶりだという。ふたつの心が絡みつくようなデザインが特徴ゆえに、引き離すことができないという意味を持つフランス語“アンセパラブル”とコレクションは命名された。流れるようなライン、しなやかさが官能的な抱擁を表現するリング、イヤリング、ティアラ、2タイプのネックレスの9点。ふたつのハイジュエリーのパリュールで構成されている。
しなやかに絡み合う2本のライン。アンセパラブルはリアンのコレクションの歴史に新たなページを刻む。
ひとつはホワイトゴールドとダイヤモンドによるショートネックレス、ネグリジェ、リング、イヤリング、ヘッドジュエリーの5点で、ピュアな輝きと気品が香る。ヘッドジュエリーは若い世代がデイリーユースしやすいようにと、ヘアバンド的でとてもシンプルなデザイン。1913年にマハラジャがメゾンにオーダーしたネックレスにインスパイアされたというネグリジェは、長さの異なる2本の房が特徴だ。
左: 卓越のサヴォワールフェールが駆使されたティアラ。異なるサイズのダイヤモンドがしなやかな流れを描き出す。ティアラはダイヤモンドとホワイトゴールドのバージョンのみ。 右: イヤリング。センターストーンのダイヤモンドが流れにアクセントを添えるのは、このコレクションの特徴のひとつだ。サファイアを組み合わせたバージョンもある。
もうひとつは、珍しいスクエアカットのサファイアのブルーが際立ち、ブリリアントカットのダイヤモンドと素晴らしいコントラストをなすパリュール。サファイアの深みのあるブルーはメゾンのシグネチャーカラーである。こちらはショートネックレス、ネグリジェ、リング、イヤリングの4点だ。2種のパリュールは基本的に同じデザインで、官能の抱擁から優美さと気品が漂うコレクション。さすが愛を語るジュエラーである。
濃いブルーのサファイアの部分使いで絡み合う運命が強調されたショートネックレス(左)とネグリジェ。どちらもダイヤモンドだけのバージョンもある。
ホワイトゴールドとダイヤモンドのリアン アンセパラブル ヘッドオーナメントをつけたモデルのココ・ロシャ。2月28日メゾン内で行われたカプセルコレクションのお披露目パーティにて。
editing: Mariko Omura