クチュールから発想、ブシュロンのモダンな新作ハイジュエリー。

Jewelry 2024.01.27

毎年1月と7月、オートクチュール週間とともに、ヴァンドーム広場に軒を連ねるジュエラーたちが、ハイジュエリーの新作をお披露目する。中でもブシュロンは、4年前より年に2回、異なるコンセプトのハイジュエリーコレクションを発表している。1月には「ヒストリー オブ スタイル」でメゾンの歴史やアーカイブ作品に着想するコレクションを、7月には「カルト ブランシュ」でクレールの独創性が生む革新的なピースを発表するのが慣わしだ。

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新作コレクション「The Power of Couture」より、「トリコ」(編み込み模様)、「エポレット」(肩章)「エギレット」(飾緒)。

そして、今回のコレクションのテーマは「パワー オブ クチュール」。クリエイティブディレクターのクレール・ショワンヌは、アーカイブピースからそのデザイン要素を再解釈し、現代の人々のためのハイジュエリーを制作した。

「創業者フレデリック・ブシュロンは織物商の息子でしたから、メゾンのアーカイブには布地やリボン、レースなどがたくさんあります。そこからインスピレーションを得るにあたって、フェミニンな印象やクラシックになることなくモダンで力強いハイジュエリーをクリエイトしようと考えました」とクレールは言う。出発点となったのは、勲章や襟章、飾緒、刺繍などで飾られた王侯貴族たちがセレモニーで纏ったコスチュームに代表される礼服だった。

「一見、堅苦しい服装に見えますが、よく見ると、リボンや刺繍、飾り紐など、クチュールのすべての要素が入っているのです」。

そこから、コレクションを構成する24ピースを自在に組み合わせて自分だけのスタイルを作る、というアイデアが生まれた。トランスフォーマブルな作品が多く、ホワイトゴールド、ホワイトダイヤモンド、ロッククリスタルの3素材で色調を白に統一。デザイン性の違うアイテム同士でも難なくコーディネートできる。

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「ブトン」(ボタン)、「ヌー」(リボン)、「メダイユ」(勲章)、「エギレット」(飾緒)。

上の写真でイヤリングとして着用しているダイヤモンドとロッククリスタルの「ブトン」は、ひとつずつバラバラにしてボタンホールを飾ったりヘアアクセサリーにしたりと無限にアレンジできる。「メダイユ」は、15個つなげてネックレスに、あるいは単独で勲章のようにも。リボン部分は、メゾンの職人がロッククリスタルに彫刻を施し、グログランの風合いを見事に表現した。胸元の「エギレット」は、礼服につける組紐装飾。ネックレスの一部を外して、冒頭の写真のように、イヤリングとして身に着けることもできる。

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「ブトン」、「ヌー」、「ブロデリー」(刺繍)。

制作に2600時間を要したというグログランリボンをかたどった「ヌー」ネックレスは、一部を取り外してブレスレットにするなど、6通りの身に着け方が楽しめる。創業者が愛したシダをかたどったブローチは、根元がソフトな構造で身体のカーブに沿ってくれるので、ウエストにも肩にも、胸元にも、自在にあしらうことができる。

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「ブロデリー」、「コル」、「エポレット」、「エギレット」

「エポレット」や中世のレースの襟を思わせる「コル」などの繊細なデザインと、グログランリボンの「ヌー」や「メダイユ」の硬さの中に柔らかさも感じさせるイメージのピース。硬質なゴールドやストーンの素材で、オートクチュールのようなテキスタイルのしなやかさに見事に表現している。作品を自在に組み合わせて、自分だけのスタイルを作ることが、ブシュロンの提案だ。
「カルト ブランシュ」でも「ヒストリー オブ スタイル」でも、常に現代的な視点で新しい提案を発信するクレール・ショワンヌ。ジェンダーレスに身に着けるハイジェリーの提案も行ってきた彼女だが、権力を象徴する礼服のイメージから出発した「パワー オブ クチュール」には、自由なスタイルをクリエイトするエンパワーメントも秘められているようだ。

●問い合わせ先:
ブシュロン クライアントサービス
0120-230-441(フリーダイヤル)
www.boucheron.com/ja_jp

photography: boucheron text: Masae Takata (Paris Office)

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