自然が輝く。ハイジュエリー「ディオール ミリー ダンテル」。
Jewelry 2025.02.12
なんてゴージャス!とため息! ああ、可愛い! と感嘆。ほとんどがユニークピースという76点からなるディオールのハイジュエリーコレクションの新作「ディオール ミリー ダンテル」が発表された。これはオートクチュールとミリー ラ フォレの家に情熱を傾けていたメゾンの創設者クリスチャン・ディオールに捧げる、ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌによるトリビュートである。

フォンテーヌブローの森に近いミリー ラ フォレにはムッシュ ディオールが1948年に入手した家と庭があり、パリの雑踏から抜け出して庭仕事に勤しむ時間を彼はこよなく愛していた。ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌはディオール ファイン ジュエリーのクリエイティブ ディレクターとなって間もなく、花や植物や昆虫などを具象モチーフにした「ミリー ラ フォレ」コレクションを発表しているが、今回はそのミリー ラ フォレの庭園から得たインスピレーションをもとに壮麗な自然をハイジュエリーへと麗しく昇華させたのだ。豊かに咲き誇る花々、アシメトリーな曲線が際立つ葉、陽気な木立など、幻想的な風景を彼女はジュエリーで描き出している。これはオートクチュール メゾンのディオールが重んじる自然美とエターナルな繊細美に捧げる頌歌というコレクション。ゴールドがアートピースのように精緻に繊細なレースモチーフを描き、その煌めきと軽やかさの交錯が輝ける宝石と優美なパールの華やかさを際立たせて......。ネックレス、ティアラ、ダブルリング、チョーカー、ブローチなどにヴィクトワールの尽きぬイマジネーションとファンタジーが込められたジュエリーが、オートクチュールのドレスと同じように目に見えない裏側まで美しく仕上げられているのはアトリエが駆使する高度なテクニックがなせる技である。

そのお披露目は、ジュエリーの石の色にあわせたピンク、グリーン、ブルーの3色の花と植物に彩られた部屋にて。ロマンティックな空間で輝きに幻惑され、まるで夢の世界に迷い込んだような魅惑的な発表会だった。
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ピンクの部屋
ここに展示されたのはルビー、ピンクスピネル、パール、ダイヤモンドがあしらわれたジュエリー。明るくカラフルな色合わせもあれば、ダイヤモンドとパールの真っ白い組み合わせもあって、庭に訪れる季節がジュエリーに感じらるようだった。




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グリーンの部屋
主にエメラルドとイエローダイヤモンドがメインストーンのジュエリーがこの部屋を彩った。イエローゴールドが描く透けたレース模様の技術には、ただただ息をのむばかり。



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ブルーの部屋
最後のこの部屋に展示されたのは、オパールとサファイアをメインにしたジュエリー。オーストラリア産のブラックオパール、ホワイトオパールの幻想的な輝きが空間を満たしていた。




text:Mariko Omura