ディオールの新作ハイジュエリー、幻想の森に動物たちが遊ぶ。

Jewelry 2024.07.16

2024年5月、ディオール ファイン ジュエリーはヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌによる新作ハイジュエリー コレクション「ディオラマ&ディオリガミ」をフィレンツェで発表した。会場に選ばれたのは、イタリアルネッサンス期の建築の至宝であるサンタ・マリア・ノヴェッラ修道院。その廻廊でマリア・グラツィア・キウリがこのコレクションのためにデザインしたオートクチュールドレスを纏ったモデルたちが、ジュエリーを披露するという夢の時間だった。

240712-dior-hj.jpg

240712-dior-firenze-hj-pierremouton-1010406.jpg

©️ ADRIEN DIRAND & PIERRE MOUTON

サンタ・マリア・ノヴェラ修道院の廻廊で発表されたハイジュエリーの新しいコレクション「ディオラマ&ディオリガミ」。デコルテを華やかに飾るネックレスに始まりティアラ、リング、ブローチ......。

コレクションの第1章「ディオラマ」はトワル ドゥ ジュイの動植物の世界がテーマだ。ヴィクトワールのジェエリーでおなじみの宝石の色彩のミックスから一転し、このコレクションではブルー、赤、グリーンなどそれぞれがグラデーションのモノクロームにまとめられているのがとても印象的。さらなる驚きは、ジュエリーが描く森の中から顔を覗かせる小さな動物たちの姿だ。ダイヤモンドとパールの白い茂みから姿を見せるゴールドのウサギたち。身体にはダイヤモンドのパヴェがセティングされている。ブルーサファイアの森のなかで白蝶貝の湖に浮かぶパヴェダイヤモンドの白鳥は優美に輝いている。イエローゴールドの顔に大きな黒い瞳が愛らしいフクロウは、深紅のルビーの葉をつけて空へと伸びる枝の上に......。

ハイジュエリーの世界にラッカーを取り入れるという大胆な発想はヴィクトワールならでは。この「ディオラマ」でもラッカーが用いられ、エメラルドのディープグリーンとツァボライトのやわらかなグリーンの調和など、鮮やかな色合いや彩りを際立たている。

240708_dior_3.jpg

「ディオラマ」より。ネックレス(PG×PT×ダイヤモンド×サファイア×ブラックラッカー)

240708_dior_4.jpg

同 ブローチ(YG×PG×ダイヤモンド×サファイア×ターコイズ×MOP×ブルー&ブラックラッカー)

240708_dior_5.jpg

同 ブローチ(YG×ダイヤモンド×パール×ブラックラッカー)

240708_dior_6.jpg

同 ブレスレット/アンクルブレスレット(PG×ダイヤモンド×ピンクサファイア×ホワイトパール×ブラックラッカー×ブラックリボン)

240708_dior_7.jpg

同 イヤリング(PG×ダイヤモンド×ピンク&レッドルビー×ピンクサファイア×ホワイトパール×レッド、ブラック、グレーラッカー)

240708_dior_8.jpg

同 ネックレス(PG×ダイヤモンド×ブラウンダイヤモンド×ルベライト×ホワイトパール×ピンクサファイア)

それぞれに物語が感じられるジュエリー。中でも目を奪うのは、濃淡のグリーンの花が咲くダイヤモンドの森でペールグリーンが鮮やかなクリソプレーズを彫ったリス、鹿、白鳥、ウサギたちが遊ぶネックレスだろう。彼らの姿を引き立てるのは、エングレーヴィングを施したイエローゴールドの葉。アートピースの彫刻のような動物たちがフェアリーテールを紡ぎ、ヴィクトワールのファンタジーが満開のネックレスだ。

240708_dior_9.jpg

240708_dior_10.jpg

「ディオラマ」より。クリソプレーズを彫った動物たちがとてもキュート! 上から、ネックレス(YG×WG×ダイヤモンド×クリソプレーズ×ホワイトパール×エメラルド×ツァボライト×イエローサファイア)、イヤリング(YG×WG×ダイヤモンド×クリソプレーズ×ホワイトパール×エメラルド×ツァボライト)

彼女の創造性にインスピレーションを与えたトワル ドゥ ジュイは、フランス18世紀アール ドゥ ヴィーヴル(暮らしの美学)を象徴するモチーフである。創業者クリスチャン・ディオールは小さなオブジェやギフト用の品を扱う小さなブティック「コリフィシェ」をクチュールメゾン内に開いた際に、天井を含めて内側全てにトワル ドゥ ジュイを用いたほどこのファブリックを気に入っていた。このハイジュエリーの新作は、メゾンのヘリテージから生まれた新しい物語。ヴィクトワールはこう語っている。「新作ハイジュエリーコレクションにて表現されるのは、昨日と今日の間に流れる繊細な間奏曲、そして洗練性と官能性の共存です」と。

ヴィクトワールの果てしない想像力、ポエジーは第二章の「ディオリガミ」でも発揮された。こちらのコレクションは赤、グリーン、黄色、ピンクなど色彩の饗宴だ。''オリガミ''と名前にあるように、折り紙に特徴的な畳まれた紙が作る直線をジュエラー流に再解釈し、プリーツのクチュール技法をデザインに取り入れたジュエリー。花を描くダイヤモンドにはバゲットカットやスクエアカットが用いられ、またジェオメトリックなシェイプの動物やグリーンのマラカイトの葉も折り紙らしさを感じさせる。繁茂する緑の草木を豊かに表現したネックレス、リング、イヤリング......壮麗なコレクションの豪華絢爛なフィナーレを飾り、回廊での夢の時間が終わりを告げた。

240708_dior_11.jpg

240708_dior_12.jpg

「ディオリガミ」より。折り紙の直線がデザインに取り込まれている。上から、ネックレス(WG×PG×ダイヤモンド×ルビー×エメラルド×ピンク&イエローサファイア×ツァボライト×スぺサルタイト&パープルガーネット×ルビー×MOP×マラカイト×ラッカー)、イヤカフ(WG×ダイヤモンド×パープルガーネット×エメラルド×スペサルタイトガーネット×ツァボライト×グリーン&オレンジ&ピンクラッカー)

問い合わせ先:
クリスチャン ディオール
0120-02-1947(フリーダイヤル)
https://www.dior.com/

editing: Mariko Omura

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

Business with Attitude
airB
言葉の宝石箱
パリシティガイド
フィガロワインクラブ
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories