ショパールのハイジュエリー、レッド カーペット コレクションは おとぎ話がテーマ。
Jewelry 2024.07.09
毎年5月に行われるカンヌ国際映画祭のオフィシャルパートナーを務め、フェスティバルと縁の深いショパール。ハイジュエリーアトリエから生まれるレッド カーペット コレクションは、同映画祭の第60回とショパールのパートナーシップ10周年を記念した60点のピースから始まった。その後毎年1点ずつ数を増やし、映画祭が77回目を数えた今年発表された新作ジュエリーの数は77点に。カンヌ映画祭の期間中にお披露目され、セレブリティの胸元を彩ったこれらの新作の中から15点ほどが、6月末のオートクチュール週間にパリで発表された。
ペアシェイプ、マルキーズカット、ブリリアントカットのホワイトダイヤモンドをちりばめ、片耳約20カラットのイエローダイヤモンドが揺れるイヤリング。
妖精や魔法の力を持つ動物、神秘的な森の世界。ショパールの共同社長兼アーティスティック・ディレクターを務めるキャロライン・ショイフレは、子どもの頃に魅了されたおとぎ話の世界をテーマに、ハートや花をちりばめた、プリンセスのための愛らしいジュエリーを提案した。
まず目を引くのは、まるで一輪のバラを封じ込めて結晶したかのような大粒のロッククリスタルが揺れるロングネックレス。真珠やエメラルド、ルベライト、ツァボライトなどのカラーストーンが並ぶ2連のネックレスに、鮮やかに彩色されたチタンの花々に囲まれたロッククリスタルのペンダントヘッドが下がっている。
ルベライト、カラーダイヤモンド、ツァボライトなどがセットされた一輪の花が主役の、夢あふれるデザイン。
もうひとつの象徴的なピースは、オークの木に着想した立体的なネックレス。フェアマインド認証ゴールド、エメラルドとツァボライトの葉、イエローサファイアの花、チタン製のどんぐりが加わってリースのように襟元を彩る。
チタン製のどんぐりの繊細な細工にも注目。4人のジュエリー職人とジェムセッターが6カ月の歳月をかけて完成させたピース。
ハートのモチーフも数多く登場した。真紅のルビーがハートのモチーフを描くキーの形のペンダントは、魔法の国の扉を開く鍵を想起させる。ブリオレットカットのピンクとブルーサファイアの花が、愛らしいハートに包み込まれたイヤリングは、少女の夢を形にしたかのよう。
ルビーとダイヤモンドのキーペンダント。
花をハートで囲んだイヤリングには、同じデザインのペンダントも。
圧巻は、17.7カラットのルベライトのリング。ペアシェイプのエメラルドと同色に染められたチタン製の2匹のカエルが王冠を支えるように配置されている愛らしいデザインは、魔法でカエルに変えられてしまった王様の物語を彷彿させる。まさにおとぎ話そのもの。リングという小さなピースながら、抜群の存在感で、コレクションのテーマを象徴した。
text: Masae Takata(Paris Office)