色彩やボリュームのバランスが光る。カルティエのハイジュエリー「アン エキリーブル」第3章が公開。
Jewelry 2026.02.13
カルティエのハイジュエリーコレクション「アン エキリーブル」の第3章が、2025年7月に続き2026年1月のオートクチュールウィーク中に発表された。これは調和、無駄のないライン、「蜜と疎」の対比、力強いボリューム、色彩のバランスを讃えるコレクションである。
創業を1847年に遡るカルティエのクリエイションを唯一無二のものとしているのが、優れたバランス感覚。第3章からその代表的なクリエイションを紹介していこう。
Parcae(パルセ)

「パルセ」ネックレス(PT×サファイア×ダイヤモンド)
神話における宿命の神。その名を授けられたシンプルで洗練されたネックレスの見事なバランスは驚異的である。ピュアなライン、「密と疎」の対比によって、視線が3つのペアシェイプサファイアへと自然に導かれるのだ。美しい姿勢で中央に一列に並んでいるサファイアはマダガスカル産で、合計16.59カラット。石の価値を見事に引き出しているカルティエならではのデザインである。ドレープをなすチェーン状に並べられたダイヤモンドはカイトカット、ロザンジュカット、ブリリアントカットなどさまざまなフォルム。プラチナに繋がれて、とても優美だ。
Euphonia(ユーフォニア)

ネックレスのデッサン、そしてサヴォワールフェール。ネックレス(PT×ルビー×ダイヤモンド)
音の調整を生み出すミキシングテーブルがグラフィック面でのインスピレーション源となった、抽象的なデザインのネックレス。エメラルドカットを施したルビーとダイヤモンドが引き立てあうように連なって、見事なハーモニーを奏でている。その輝きを増すのは、あしらわれたスクエアカット、バゲットカット、ブリリアアントカットのダイヤモンドだ。石同士が織りなす透し模様、幾何学模様は力強いリズムを刻んでいる。ミキシングテーブルのキーを上下に動かすように、背面のクラスプを2本のダイヤモンドのライン上でスライドさせることによりネックレスの長さを変えることができる。
Ondora(オンドラ)

「オンドラ」ネックレス(WG×クリソプレーズ×スピネル×ターコイズ×ダイヤモンド) photography: courtecy of Maxime Govet © Cartier
カルティエらしい素材と色の組み合わせ。オンドラのネックレスには、その絶妙なバランスを見ることができる。丸いボンボンのようなクリソプレーズの緑色、そしてビーズ状のローズスピネルのピンク、この2色を取り持つように小さくターコイズがあしらわれている。クラゲにインスパイアされたというこのネックレス。見事な色彩のバランスは、センターと背面のクラスプのふたつのタッセルが魅力を引き立てている。
Splendea (スプレンデア)

「スプレンデア」ネックレス(PT×ダイヤモンド)
メタルパーツがほとんど姿を隠し、完璧に調和する34個のダイヤモンドが光のラインを描いている。水平に配されたバゲットカットのダイヤモンドから溢れ出るリズム、躍動感は果てしなく続く波を思わせる。緻密な宝飾細工と石留めというメゾンが護るサヴォワールフェールが秘められたクリエーションだ。
Axialis(アクシャリス)、Ciel Ipomée(シエル・イポメ)
「アン エキリーブル」第3章のクリエーションはネックレスが中心のパリュールばかりではない。リングとイヤリングで構成されている「アクシャリス」と「シエル・イポメ」を見てみよう。

「アクシャリス」リング(PT×エメラルド×オニキス×ダイヤモンド)

「シエル・イポメ」リング(PT×サファイア×ダイヤモンド)
「アクシャリス」はエメラルド、「シエル・イポメ」はサファイア。センターのボリュームある石が軸となっているふたつのリングである。前者はオニキスとダイヤモンドがエメラルドの左右にアール・デコ調に幾何学模様を描き、後者は自然界からインパイアされて葉模様を描くダイヤモンドのうねりがサファイアの左右で白く輝く。見事に大粒の石が全体のバランスを引き締める華麗なデザインはカルティエならでは。

会場より。(左)「パルセ」のサファイアを中央に据えたリングは、後方のデッサンのようにダイヤモンドが連なるチェーンブレスレットに組み合わせてハンドジュエリーとして使える。(右)会場では過去の関連ジュエリー、新しいコレクションのデッサンも展示された。メゾンのアイコンであるパンサーをあしらったジュエリーは2点。「Panthère Algarrobo」ネックレスでは巨大なアクアマリンの上に君臨し、「Blue panthère embrassée」ネックレスではしなやかに2匹が絡み合っている。© Cartier photography: Mariko Omura
editing: Mariko Omura





