Fashion 連載
きものの楽しみ
祇園の一力茶屋に行ってきました。
きものの楽しみ
またご無沙汰が続きましたが、11月の最後に訪れた京都での楽しく貴重な体験のことを少しだけ。
「仮名手本忠臣蔵」の七段目を持ち出すまでもなく、幼い頃から耳で聞き、映画や舞台でたびたび目にした祇園の一力茶屋に行ってきました。
いつもの「きものの会」のメンバーです。
半年以上も前に実現するとわかった時は「本当?」という驚きと、「どうしよう?」という不安、それに「そういうところに行けるなんてラッキー」という喜びとが、混ざり合っていました。
そしてあっという間に、その当日。
朝、東京を出てホテルにチェックイン。
支度して一力に着いたのは19時頃。
今回のすべてを手配して下さった重松さんに感謝しつつお座敷に。
踊りを見せてくれた芸妓さんも舞妓さんも選り抜きの美しい人ばかり。
衣装の美しさは見事という他なし。
皆の席で一緒に話をすると、それぞれが可憐で美しく、話しぶりもたおやかでプロの格が感じられるのはさすがでした。
KIKIさんと、今回のゲスト、誉田屋源兵衛さん。
舞妓さんと岩崎さん、舞妓さんの髪飾り、半衿、帯揚げ、帯留め...どれも目が離せません。
美しい芸妓さんと話す私は少し緊張気味。徳利の形と模様も、なかなかです。
そして、「とらとら」というお座敷遊びも。
皆には見えますが、屏風を挟んで、左右の二人には互いが見えません。
和やかな雰囲気でした。
中村三加子さんと重松さん
堀越さんと一色采子さん
それに私と大倉さんも
そして皆それぞれの一力用おきものを拝見。
大倉さんはラオス製の渋いグリーンの大胆な紬にキャンベルスープの帯
黒地に手描きされた帯がなんともユニークです。
中村三加子さんは絞りの小紋。
白黒匹田絞りのトップに細かく金彩がほどこされていて、ひそかに華やぐ見事なきもの。
芥子色の帯揚げに白い帯締めが清々しい。
そして金銀の笹に雪輪で雪持ち笹ふうに表現された帯は迫力ある美しさ。
そして、こんなお座敷にピッタリの大人の振袖姿だったのが一色采子さん。
濃い茶に漆の金で花鳥柄。
前巾を広めに締めた白地の帯にアンティックで見つけたというやはり幅広の赤と白の帯締めが華やかさをプラス。クリーム色の絞りの帯揚げをたっぷり見せて、袖が動くたびにのぞく赤地に白の手綱(たづな)絞りの長襦袢が印象的でした。
KIKIさんは、お母さまからの総絞りのお振袖。
吉祥文様の袋帯を若々しくふくら雀に結んで。
髪に飾ったお花が可憐でした。
岩崎さんはグリーン地の鮫小紋で粋に。
前面は縞。お太鼓はエキゾチックで豪華な柄の袋帯が大人の風格を。
今回初参加のマルチクリエイターの緒方慎一郎さん。
黒地の十文字絣の大島の揃い。
アイヌの柄の半衿がきいていました。帯は博多。そして羽織の裏はなんとグッチのスカーフ。
遊び心がのぞきます。
そしてやはり今回のゲスト、京都の誉田屋源兵衛さん。
火消しの衣装からとったという黒に白のやぶれ格子のきものがど迫力で格好良し。
きものに関するお話もしていただき、お茶屋さんで勉強も。
そして堀越さんはグレーのきものに黒のお召の羽織で粋な感じ。
トムヤさんはぜんまい紬のきものに泥大島の羽織。
そして重松さんは絞りのきものに紋織の羽織。
照明によっては一見地味なのですが、絞りのきものにプラチナ織の帯は近くで見ると、凝っていて華やかです。
そしてもちろん長襦袢は、つかみ絞りの墨染めふうという珍しいもの。
そして羽織の裏の色と柄はこのとおり、
面目躍如です。
最後の私は、考えに考えて選んだのが、定番というか着ていて安心な竺仙の文久小紋。
京都に行くということで江戸小紋にしました。
この竺仙さんのお正月の展示会のお知らせがあるので最後を忘れずに読んで下さい。
帯は黒に金銀のつずれの帯。
そして夜もふける頃、一力をあとにしました。
●竺仙さんからのお知らせです。
竺仙では「竺仙の染ハ 粋ひとがら」をテーマに
第59回竺仙展を開催します。
こちらの展示会に、抽選で10組20名様をご招待いたします。
日時・・・平成26年1月11日(土)9:00〜17:00
場所・・・浜松町東京都立産業貿易センター
ご希望の方は、氏名、住所、電話番号をご記入の上、
以下までメールにてお申し込みください。
info@chikusen.co.jp
*1/5(日)着まで受け付けます。
*当選の発表は、案内状の発送をもってかえさせていただきます。