Cartier カルティエの技術に迫る! 素晴らしき時計づくりの世界へ。
Watches 2024.11.20
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ジュエリーと時計。ふたつの世界を融合させて、美と革新を併せ持つタイムピースを繰り出すカルティエ。10周年を迎えたメゾン デ メティエダールは、伝統の職人技が受け継がれ、進化を続ける場所だ。
The House of "Métiers d'Art"
細いオーバルのフォルムにスノーセッティングのダイヤモンドをちりばめた「べニュワール」、無数のゴールドビーズが腕の動きにつれて流れ、文字盤にパンテールを描き出す「レヴェラシオン ドゥヌ パンテール」――美しくも革新的なタイムピースを次々に送り出すカルティエ。1847年にジュエラーとして創業しながらも、1904年に「サントス」を、17年には「タンク」を発表して、ウォッチメーカーとしても揺るぎのない歴史を刻んできたメゾンだ。ジュエラーの目と時計製造の粋が同居するカルティエのタイムピースの秘密は、スイスのラ・ショー・ドゥ・フォンにある。
時計好きなら、この町の名前を聞いたことがあるかもしれない。標高約1000メートル、ジュラ山脈の山々に囲まれた田舎町は、中世の昔から農民が厳しく長い冬の手仕事として時計制作を始め、18世紀には宗教戦争を逃れてやってきたフランスの時計職人たちが加わって、精密な時計制作の文化を花開かせたと言われている。ウォッチメイキングの聖地ともいえるこの地に、カルティエは1970年代から時計製造の本拠地を置いている。
湖畔の街ヌーシャテルから30分ほど車を走らせると、近代建築のマニュファクチャーとベルン様式の農家が仲良く並ぶ姿が見えてくる。カルティエが17世紀の農家を買い取り、伝統建築の姿を尊重しながらリノベーションしてメゾン デ メティエダールを置いたのは10年前。その佇まいは、伝統の手仕事を継承する職人たちを象徴しているかのようだ。
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カルティエ マニュファクチュールは、時計のコンセプト作りから、部品の製造や微細な部品の組み立てまでが行われるウォッチメイキングの心臓部。一方のメゾン デメティエダールは、微細な手作業で文字盤やケースを美しく彩る約50人の職人が働く場所である。ハイジュエリーのアトリエさながらに、石をセッティングし、磨きをかける職人たち。小さな木片を焦がして微妙な色合いを作り上げ、微細なピースで文字盤に絵柄を組み上げていくマルケトリ職人。あるいは、細い筆でステンドグラスのように鮮やかなモチーフを実現するエナメル職人。直径40ミリに満たない文字盤やケースの中に、美しいミニチュア世界が描かれていく。
「カルティエでは常にジュエリーとウォッチメイキングの卓越した対話を育んでいます。メゾン デ メティエダールは両者が融合する場所なのです」と時計製造部門のトップを務めるカリム・ドリシは言う。この場を支配するのは卓越したサヴォワールフェール。だが、単に伝統を継承し保護するだけではないのがカルティエのメゾン デ メティエダールだ。
「カルティエのユニークなところは、デザイン文化です。時代を超えて残っていくデザインを生み出すことが使命。そのために、伝統のクラフトマンシップと最先端技術を組み合わせ、技術がデザインを引き立てていきます」最上階ですべての職人たちと連携するのはイノべーションチーム。エンジニアや科学者、デザイナーからなるチームは、最新テクノロジーだけでなく、時には旅先で見つけた古代からの技法にインスパイアされて、職人と手を携えながら新しいサヴォワールフェールを開拓していく。たとえば、グリザイユという白の微妙なグラデーションを生むエナメル技法は、フランスの修道院に伝わる技法を取り入れて、メゾン特有のゴールドのグリザイユへと進化を遂げた。小さな貴石をちりばめつつも弾力性を持つ「クッサン ドゥ カルティエ」は、ジュエラーやジェムセッターとイノベーションチームの対話から実現した技術だ。
「メゾン デ メティエダールの存在がなければ、『レヴェラシオン ドゥヌ パンテール』や、エナメル グラニュレーション技法を使ったクリエイションは生まれなかったでしょう。こうした革新的なタイムピースは、制作チーム、イノベーションチーム、開発チームと職人たちという複数のチームの間の協力関係とディスカッションから生まれるのです」
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innovation
「クッサン ドゥ カルティエ」。2022年に発表された時計は、これまでに例を見ないまったく新しい素材感。パヴェセッティングを施した細かい網目状のゴールドのリングは圧力がかかると変形し、弾力で元に戻る。医療用に開発された技術を用いたもので、3Dプリントでプロトタイプが作成された。イノベーションチームとジュエラーの緊密な協力なしには生まれなかった作品だ。
「バロン ブルー ドゥ カルティエ セルティビブラン」に取り入れられた、「トレンブリング」セッティングの工程。19世紀末からジュエリーに用いられてきた技法で、セッティングから解放されたダイヤモンドが揺れて見えるというもの。ダイヤルにセットされた123個のダイヤモンドの輝きが動きにつれて増幅。ジュエリーのサヴォワールフェールと時計製造技術の融合を雄弁に物語る代表作になった。
jewerly
スノーセッティングのダイヤルが美しい「ベニュワール」、パヴェセッティングが毛並みを表現する「パンテール」。カルティエを代表するジュエリーウォッチは、メゾン デ メティエ ダールのジュエリー職人とセッティング職人の仕事が実現するもの。パリのハイジュエリーアトリエと同様のサヴォワーフェールを駆使して、タイムピースのケースやダイヤル、ブレスレットを貴石の輝きで彩る。
「ベニュワール」ジュエリーウォッチ(WG xサファイアxエメラルドxクリソプレーズxダイヤモンド、28.6x19.8mm、クオーツ)¥43,692,000(参考価格)/カルティエ(カルティエ カスタマー サービスセンター)
filigree
ゴールドやシルバーのワイヤーを融合させ、透かし格子のモチーフを作る技術は、フィリグランと呼ばれている。直径4cmほどのダイヤルの小さな世界に適応させることができるのは、ジュエリー職人ならでは。写真は「ロンド ルイ カルティエ パンテール フィリグラン」ウォッチの制作過程。ゴールド、プラチナ、ダイヤモンドのジュエリー素材で実現した、フィリグラン技法による繊細なモチーフに注目。
「ロンド ルイ カルティエ パンテール フィリグラン」ウォッチ(YG、ダイヤモンドxエメラルドxブラックラッカーxラッカーxアリゲーターストラップ、φ42mm、手巻き、20本限定)¥33,792,000(参考価格)/カルティエ(カルティエ カスタマー サービスセンター)
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marquetry
ダイヤルという小さなキャンバスに描かれたモチーフを、さまざまな素材の小片を組み合わせて表現するマルケトリ。作業台には木片に焦げ色をつけるために、フォンテーヌブローから取り寄せた砂が熱せられている。素材をカットする糸鋸の刃は実に繊細。「ロンド ルイ カルティエ エクラ ドゥ パンテール」では、藁、木、クリスタル、サファイア、ゴールド、マザーオブパールなど124の小片でパンテールを描いた。
granulation
古代エトルリアで生まれた技法、グラニュレーションは、長い間失われていたサヴォワールフェール。糸状に引き伸ばした金属から熱効果でビーズを作り、窪んだモチーフの上に置いてゆく。「ロンド ルイ カルティエ ゼーブル エ ジラフ」ウォッチのダイヤル部分のキリンの模様は6種の合金のビーズで色のニュアンスを表現。カルティエではさらにエナメル加工にもグラニュレーション技術を応用している。
「ロンド ルイ カルティエ ゼーブル エ ジラフ」ウォッチ(WGxダイヤモンドxオレンジガーネットxイエローサファイアxカーフストラップ、φ36mm、手巻き)¥17,028,000(参考価格)/カルティエ(カルティエ カスタ
マー サービスセンター)
enamel
ダイヤルを彩る技法として広く使われているのがエナメル。小さな筆でペイントするものから、金属のベースを彫り込んで色を流し入れるシャンルべ、金属の枠内に彩色を施すクロワゾネなど、さまざまな特殊技法がある。写真はエングレービングを施したメタルに小さな筆で顔料を入れているところ。色を載せオーブンで熱を加える作業を何度も繰り返すことから生まれる繊細な色のニュアンスは、まさに職人技。
photography: ©Cartier text: Masae Takata (Paris Office)