2018年 いて座の運勢(下半期) - 石井ゆかりの星占い

情緒ある文体でつづられる12星座占いが大人気の石井ゆかりさんによる星占い。
「フィガロジャポン」本誌(毎号20日発売)で好評の星占い「星の伝言板」を2018年の12月分まで掲載。2019年1月以降は、「フィガロジャポン」本誌をご覧ください。
毎月1日に更新、石井ゆかりさんによる連載コラム「石井ゆかりの伝言コラム」はこちらから。

2018年の下半期の星占い

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いて座   11.22 - 12.21

卵の殻の中でしか育てることのできない、大切な「夢の芽」。

「隠れ家風レストラン」「隠れ家風の居酒屋」というような表現は、昨今では結構一般的です。
おそらく、当初は「目立たないところにあるのに繁盛するだけの力がある名店」とか
「著名人が人目を避けて訪れる、隠れた名店」などの意味合いだったのではないかと思いますが、
現在ではどちらかといえば「少人数で静かに飲食できる場所」とか、
「誰でも連れていけるわけではない、とっておきの場所」のイメージでも用いられるように思われます。
大勢でワイワイ話したい話題もあれば、信用できる人とふたりだけでじっくり話したい話もありますが、
「隠れ家風」のお店は、おそらく後者にふさわしいだろうと思います。

人目をはばかる内緒話やデリケートな人間関係などは、安全が確保された「閉じた場」で守りたいものです。
これは、人の目をさえぎるということ以上に、もっと大切な意味を持っています。
というのも「閉じた場」は、ひとつの意味ある世界としての力を持つからです。
たとえば、思いの丈を込めた恋文が、大勢の前で読み上げられたら、それはどこか滑稽な印象を帯びます。
教室で先生が語った真面目な話を、放課後に生徒たちがマネして語ったなら、それはたぶん揶やゆ揄です。
その恋文に心動かされた恋人も、先生の話に心を打たれた生徒も、苦笑いをせざるを得ません。
この「滑稽さ・笑い」は、「あるべき場」を離れたことによって起こります。
「笑い」は人生の大事な潤滑油ですが、一方で、人の心を深く傷つける、危険な凶器にもなり得ます。
たとえば集団による犯罪やイジメ、ハラスメントなどの場には必ず、笑いがあります。
誰かが抱いた淡い夢を誰かに話して、それを一笑に付されたなら、夢は死んでしまうかもしれません。
でも、この夢が心の中で大切にされ、信頼できる人とだけ分かち合われ、育てられて、
目標や計画、実行から実現にまで至ったなら、もはや誰の笑いにも傷つけられたりしません。
「閉じられた場」は、その中に揺ようらん籃される夢や物語、対話や関係性を、強くなるまで育ててくれます。
その中にはひとつの意味を共有する世界が存在していて、私たちはそうした場でしか、
物事を生み出したり、育てたり、清算したりできないのです。

2018年下半期、射手座の人々は何らかの「閉じた場」で、生まれたばかりの夢や希望を
丈夫な苗へと育てていくことになります。
このプロセスは2017年の終わり頃からすでに始まっていますが、この下半期は特に
「閉じた場」の中で、熱いコミュニケーションが展開し、生き生きした動きが生まれるのが特徴です。
この「閉じた場での動き」は、秘密を守る世界とか、引きこもりの世界というようなことではなく、
たとえば「たくさんの研究室を訪ねて歩く」とか、「家庭訪問をする」といったことにも通じます。
ラボがあり、教室があり、書斎があり、子ども部屋があるのは、そうした閉じた場が、
それぞれに特別な学びやコミュニケーションを「生成する」からです。
この下半期は過去との邂かいこう逅が増える傾向があるのですが、
自分自身の人生、つまり「ヒストリー」も、ある意味でひとつの「閉じた場」と言えるでしょう。

この「閉じた場」が外に向かって開かれるのは、2018年11月以降です。
小鳥の雛が卵の殻を内側からつつき破って外に出るように、
11月以降、貴方は「閉じた場」の殻を破って、勢いよく外界に飛び出すことになるはずです。
このヒヨコに必要な最初のエサは、2018年上半期にすでに、手に入ったかもしれません。
まだ足りない分は8月から9月にかけて、ちゃんと集められるはずです。

11.22-12.3 生まれの貴方

自分自身を許した時、意外なところに見つかる「本当の原因」。

かつて本人の行いが悪いからだとか、気温が高いためだとか考えられていた病気が「蚊の媒介による伝染病」だとわかって以降、それまで想定されていた「原因」はきれいに忘れ去られました。私たちは物事の原因と結果を非常によく誤解します。犯人捜しをし、自分を責めても、どうやってもうまくいかないことがあったとして、その単純な原因が思いもよらないところに見いだされる、といったことは決して珍しくありません。もし貴方が、長期にわたって「これは自分が悪いのだ、心を入れ替えて行動を変えたい、でもなかなか変えられない」と苦しんでいるなら、この時期「自分が悪いわけではない」というところから解決の糸口が見つかるかもしれません。必要なのは信心でもお祓いでもなく「水の煮沸だった」とわかった時、多くの人の心が解き放たれただろうと思うのですが、それに似た喜びがこの時期、貴方の心を満たすはずです。
7月から8月前半、9月中旬から10月上旬は、外に出てガンガン動ける時期です。フットワークの良さから得るものが多いでしょう。勉強や研究活動にも力がこもります。8月は新しい仲間に恵まれるかもしれません。10月末から徐々に新しいことが起こり始め、11月8日、大きな人生のターニングポイントとなる1年が始まります。ここからは「何でもアリ」の日々です。また、10月半ばから12月頭にかけて、引っ越しや家族構成の変化など「居場所」が動くかもしれません。9月下旬と11月半ばには、愛の転機もやってきそうです。

12.4-12.13 生まれの貴方

「必殺技」を、密かに手に入れる。自分で自分を信じるための、ささやかな「手掛かり」。

「ここぞという時に使う、必殺技」「いざという時のための、一張羅」「とっておきの秘蔵品」等々、いつもの何倍もの力を発揮したい時を想定して、何かを「隠し持つ」人は少なくありません。「能ある鷹は爪を隠す」とも言われますが、いつも見せびらかしていては効果が半減してしまうものを、私たちは大切にしまっておきます。そうした「しまっておく」宝物や秘密の武器を、この時期は積極的に「手に入れる・仕込む」ことができるようです。秘蔵品を手に入れ、一張羅をあつらえるのは、あくまで密かに行われる作業です。誰にも知られないよう単独で行動し、忘れてしまわないよう、記憶に刻み付けます。必殺技なら身に付けなければなりませんし、内緒で味方を作るなら、密かに話を付けにいく必要もあります。この時期はそうした「自分なりの秘策」を創造できるタイミングとなりそうなのです。隠された鷹の爪や誰も知らない必殺技は、いざという時役に立つだけでなく、常にどっしりと落ち着いているための心の支え、自信にも繋がります。
7月から8月末にかけて、遠くへ旅する人が少なくないでしょう。特に8月半ばに訪れる場所には「運命」のようなものを感じるかもしれません。9月は新しいミッションがスタートするタイミングです。10月中旬から下旬は、行動範囲が広がり、どんどん外に出る時期となっています。発言力が増すでしょう。12月に入ると俄然、新しいことがどんどん始まります。愛に追い風が吹くのは8月中旬から下旬です。愛の視野を広げたい時です。

12.14-12.21 生まれの貴方

欲しいものには「両手」を出す。ストレートな思いが、愛のミラクルを呼ぶ。

「欲しいものははっきり、欲しいと言う」ことの重要性を再確認できる時です。射手座の人々はもともと、自分の要望をねじ曲げたりしない傾向があるのですが、この時期は特に「欲しいもの」「好きなもの」に関する率直さが求められるようなのです。空気を読んだせいでせっかくの大物を釣り逃したり、横着をして両手を出さず、あえて片手で済ませようとしたりした結果、深く後悔することにもなりかねません。本当に欲しいものには両手を出して、全力で向かっていけば、この時期は必ず手に入ります。特に、春から初夏にかけて「惜しいところで取り逃がした」ものがあるなら、この晩夏から初秋、再度チャレンジできるはずです。物質的なことだけでなく、たとえば愛のような精神的な世界でも、「欲しいものへの率直さ」はとても重要です。一見非合理であったり、非常識であったりしても、思いが限りなくまっすぐだった時、不思議な道筋を通り抜けて、人の心に届くことがあります。この時期はそんな「愛のマジック」が、少なからず実現する気配もあるようです。
7月は意外な人から、素晴らしい贈り物を受け取ることになるかもしれません。7月末から8月頭、キラリと光るチャンスを掴めそうです。8月半ばから9月半ばは、経済面で精力的に動けます。おおいに稼ぎ、あるいは欲しいものを手に入れられる時です。10月末から11月半ばはガンガン発信し、どんどん外に出て得るものが多いでしょう。この時期に集中的に勉強する人もいるはずです。
愛に追い風が吹くのは8月末から9月上旬です。

 

12星座別占い

Horoscope : Ishii yukari / Illustlation : Chihiro Yoshii

石井ゆかりプロフィール

ライター。星占いの記事やエッセイなどを執筆。『12星座シリーズ』(WAVE出版刊)は120万部を超えるベストセラーに。『3年の星占い(全12冊)2018-2020』(文響社刊)も発売中。主宰WEBサイトは『筋トレ』http://st.sakura.ne.jp/~iyukari

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