たとえば種を蒔く時は、1カ所だけに集中させず、均等に、まばらに蒔くものだと思います。芽が出る種もあれば出ない種もある、ということは織り込み済みです。広い範囲に物事を伝える時も、「聞いている人もいれば、聞いていない人もいる」「聞いている人の中の何人かは、動いてくれるかもしれない」といった期待値で伝えるものだろうと思います。全員が完全に反応してくれるわけではないけれど、心の通じ合う人がきっといる、という、世界への不思議な信頼が、そこにあります。
今週、貴方は身近な人に、あるいは自分の住む世界に、まんべんなく種を蒔いていくような、あるいは水を撒くようなアクションを起こすことになるかもしれません。どこから芽が出るかはまだ、この段階ではわからないのです。すべての種から芽が出るわけではなくとも、どこかからは出ます。「どこかからは、芽が出る!」というその信頼が、「芽が出る」ことの原動力となります。受け取り手が「信じてもらっている」と思えることこそが、発芽の動機となるのです。