自分自身のことは、あまりよく見えません。
自分にとって誰よりも近いのが自分ですが、近すぎて見えないのも、自分です。
自分の顔を見るには鏡が必要ですが、他者が「鏡」のような役割を果たしてくれることがあります。
今週、そんな「鏡」の人物が登場するかもしれません。
その人は貴方に、「後生大事に持っているそれは、もうそろそろ、いらないんじゃない?」と教えてくれるようです。
ちいさな子どもがぬいぐるみや毛布を手放さずにいるのに似て、大人たちもみんな、自分を安心させるため、守るために、いろいろなものを持っています。
あるいはそれは「もの」ではなく、考え方や態度、言葉などの場合もあります。
たとえば、臆病な人が自分を強く大きく見せるために、つい武勇伝を語ってしまう、という現象があります。
いつも同じ話を聞いている周囲は、この武勇伝に、その人の弱さを見ています。
でも、本人はそれに気づきません。
この時期、そうした「もう本来の機能を果たしていない防具」の存在を、誰かがそっと教えてくれる気配があります。
その時、貴方は「そうか、これはもういらないな、実は持って歩くのが本当に重くてしんどかったんだよね」と考えるだろうと思います。