どんなに親しい間柄でも、相手の「本心」はわからないものです。ゆえに、長年付き合った相手の話を聞いて、「ええ!そんなことを考えていたの!」と驚かされることがあります。自分自身もまた、さまざまに矛盾した思いを抱きながら「この人に対しては、このスタンスでいこう」というふうに態度を「選択」した上で行動します。「相手の本当の気持ちはどうなんだろう」と考えても、多分「自分の本当の気持ち」を問われる程度には、意味がないのです。
この時期はそんな、他者の思いの「わからなさ」の中から、いろいろ意外なものが飛び出してくるようです。たとえば、自分を嫌っているとばかり思っていた相手が、突然親切にしてくれる、といったことが起こるかもしれません。あるいは、納得した上で約束した、と信じていたことを、相手が「もう一度考えさせてほしい」と言ってくるかもしれません。相手にもさまざまな不安があり、事情があり、人生の局面があります。そのことが今週、不思議と深いところまで「見える」気配があります。このやり取りを通じて、重要な信頼関係が生まれます。




