ある作家が、読者から読後の感想をもらって「そんな読み方があるのか!」と驚き、そこからインスピレーションを得て少し作風を変えた、というエピソードを読んだことがあります。自分で作ったものなのに、他者の中を通り抜けたところで自分が意図しなかったことが生まれ、さらにそれが新しい形で自分のものになる、という、とてもおもしろい体験だなと思います。大人になってからの「学び」には、すべてそんな要素があるのかもしれません。すでに知っていること、モノにしていることが、外界を通り抜けて新たな形に変身し、また戻ってくるのです。
今週は特に、そんなことがたくさんありそうです。他者や外界に「預けておいたもの」が、おもしろい「利息」付きで自分の手に戻ってきます。それを改めて自分のものとした時、素晴らしいギフトを受け取ったことになるのです。