天秤座の人々は他者との関係において必ず、「車間距離」のようなものを設定しようとします。この人とはこの距離感で関わる、と無意識にか、または意識的に決めておいて、そのラインを必ず守るのです。ゆえに、一度作られた関係性はなかなか変化しません。でも、今週から約1年の中では、その「距離のルール」はしばしば破られる可能性があります。
一般には、人間と人間の関係性はいろいろな形で変わっていきます。幼なじみが恋人になったり、恋人だった人が親友に変わったり、親子であっても世話をする側とされる側が逆転したり、最初は「知り合い」だったのがいつしか「親友」になったり、といったことがよく起こります。ある出来事をきっかけに変化が起こることもあれば、「いつのまにか」「自然に」変わることもあります。ただ、「いつのまにか」と感じるのは、ただその「越境」の決定的瞬間を記憶していないだけなのかもしれません。

少なくとも天秤座の人々の世界では、ある種の「越境」「ルールからの逸脱」が起こらなければ、そうした関係性の変化はなかなか起こりません。また、天秤座の人々は自分から越境することに苦手意識を持ち、なんとかして相手から越境させようと誘導することもあるようです。ただ、ここからの1年の中では、自分から相手の側へと境界線を越えてゆく選択肢も随所で視野に入るはずです。
今週は特に、そんな「越境」が起こりやすい時間となりそうです。小さなきっかけでも、たとえば「ふと敬語が消える」ような変化であっても、それは立派な心の越境なのだと思います。