受け取る力、観察力、分析力、読解力、解釈力。たとえばそんな力が、とても強くなっています。起こっている物事や関わっている相手の言動などを、ただそのまま受け取るのではなく、さらに掘り下げて、あるいは広い視野で、噛み砕いて自分のものにできるのです。とはいえ、そこで「わかる」のはもしかすると、相手のことではなく、自分自身のことなのかもしれません。
たとえば、幼い子どもの頃の自分と、今現在の自分とでは、今のほうがずっとたくさんの要素で出来ているように感じられるはずです。知識や技能もそうですし、活動や立場性、人間関係など、内容も量もはるかに増えていることでしょう。自分がそんなふうに、成長して複雑になっていくことに、普段は気付きません。どのように複雑化したのか、どんな部分が「増えた」のかということも、自覚しにくいことです。
今週は、誰かとのやり取りや、起こっている出来事の「分析」を通して、自分の中に新たに生まれたものに気付かされるかもしれません。たとえば「以前の自分なら、この人のこういう言動を、もっと違うふうに受け取っていたなあ」といった発見があるかもしれません。さらに言えば「相手は怒っているようだけど、本当は怯えているのではないか」「自分は悲しんでいるつもりだけど、実は怒っていて、相手はそれを察知したのではないか」といった捉え直しができるのかもしれません。そのような「解釈」の向こう側に、新しい関わりや取り組みの可能性が見えてくるかもしれません。