本当に喉が渇いた人にとって、水は何よりもおいしく感じられます。最も孤独な人は愛を敏感に察知しますし、傷ついた人は他人からの働きかけが、それが本当のケアなのか、それとも欺瞞に過ぎないのかを感じ取ります。今週、貴方の世界でもそんなことが起こるかもしれません。貴方の中で最も乾いた部分に、慈雨が降り始めます。いちばん痛む傷に、手当てが施され始めます。
あるいはもっと酷い場合には、人間から傷つけられた小さな動物が、治療しようとするほかの人の手を激しく噛む、といったことも起こります。辛い目に遭ってきた人は、他者からの働きかけを強く警戒します。もし、これまでの貴方が心の中に、そんな激しいおびえと防御を抱いてきたなら、今週からその部分が揺らぎ始めます。固く閉じていた扉に、すき間ができて、そこから光が薄く射し込みます。まだ「黎明」でも、それは確かに光です。




