高い理想、考え深さ、広い視野。今週からはそうしたものが、とても重要です。これまでどこか「人に任せる」「人の動きに反応する」ことが意識の中心にあったかもしれませんが、ここからは「自分の進むルートを、自分で探す」「人にしてあげたいことを、自分で考える」ようなことが関心の中心に置かれるようです。

ルートを探したり、他者のための「最善」を探ったりするには、視野を広く持ち、物事を深く考える態度が必要になります。たとえば、目先のことだけに囚われたり、自分がどう見られるかばかり気にしたり、小さな損得にこだわったりしている時は、人生の道筋も、人の幸せも、なかなか理解できないものだろうと思うのです。

芸術的な感性や、理想を追いかける生き方や、夢を見ることなどは、一般に「非現実的」だとされがちです。場合によっては嘲笑的な目で見られることもあります。でも、この時期はそうした嘲笑に足元をすくわれると、かえって大事な現実が見えなくなるようです。たとえば、音楽を聴きながら普段の風景を眺めると、まったく違った心象世界が拡がったりします。この時期は多分、そうした美しい世界のほうが「本物」なのです。次の動きを決める上で、その風景が役に立つのです。非現実的になるほど現実が見えてきます。現実を矮小化しないことが、この時期をモノにするカギなのだと思います。