集中力が出てきます。手元のこと、足元のこと、身近なこと、具体的なことにしっかり注力できる時です。余計なノイズから解放されて、「これが今、自分のやるべきことだ!」と思えることに全力を注げる時なのです。
ただ、家事や家族に関すること、身内の世話などが普段「自分のやるべきこと」の外側にある人にとっては、この時期は「身内に振り回される」感覚も強いかもしれません。今は大切な人のケアや居場所を運営する作業を誰かに丸ごと預けたり、部外者のような立場に立ったりすることが難しいのです。どうしても「当事者」として立ち、そこに愛情や力を注がなければならない場面があるようです。
「当事者としての意識を持つ」ことは、そう簡単なことではありません。たとえば自分がケガをしたのに、その治癒への経緯や看護を「人ごと」のように感じる人もいるほどです。「自分のことなのに自分のことだと思えない」という不思議な現象は、誰の日常にも起こります。
この時期、今まで外部のことだと感じていたテーマを、ふと「自分自身のことなのだ」というふうに「取り戻す」ことができるかもしれません。「これは自分のものだ」「これは自分自身が動かないとどうにもならない」などの発見は、ダイレクトにその人の世界観を変え、生き方を変えます。