日本一周、私の偏愛グルメ。 忘れられない食べ物は何ですか?【日本編】

Gourmet 2018.08.22

「あなたにとって忘れられないグルメは何?」そんな質問に、食好きクリエイターたちが答えてくれました。みんなの偏愛グルメ情報を、日本中からお届けします。

日光・三ツ星氷室の天然氷を使った、ふわふわのかき氷。いちばんお気に入りの「抹茶金時みるく」。

藤沢
今井 麗(画家)

初めての食感に感動!天然のふわふわかき氷。

鵠沼海岸駅から徒歩数分の住宅街で、一年中天然かき氷を提供している店です。ふわっと瞬時に溶けるやさしい口当たりに、いままで食べてきたかき氷は一体なんだったのかと思いました。たくさん種類が用意されていますが、なかでも好きなのは、濃厚な抹茶に甘さ控えめの餡子がたっぷりと入った「抹茶金時みるく」と、中に巨峰のゼリー寄せが隠れている「Wぶどうみるく」。この店で初めてかき氷を食べた時の驚きは忘れられません。

埜庵
http://kohori-noan.com

新鮮な野菜を使った創作料理がズラリ。前菜3種より、左から、ひよこ豆のクリーム、トマトのマリネ、紫キャベツのブルスケッタ。

京都
多屋澄礼(ライター)

新鮮な野菜の創作料理を、ワインと楽しむ喜び。

この店は路地裏にある止まり木のような場所。新鮮な野菜を使って、趣向を凝らしながら一品一品丁寧に作られた料理をいただけます。野菜本来の食感や風味を生かした前菜や、重箱の中に色とりどりの野菜がちりばめられたサラダは必ず頼むメニュー。スパイシーな麻婆風ポテトサラダを肴に、豊富なラインナップから選んだワインをゆっくり楽しむのがオススメです。料理が出てくるたびに好奇心が刺激される、京都のお気に入りのお店です。

バイタルサイン
http://baitarusain.tumblr.com

旬の素材を使った日替わりメニュー。この日は、無農薬米おにぎり、レンコンボール、お豆腐屋さんの手作り納豆油揚げ包み焼き、平飼い有精卵の卵焼きなど。

別府
甲斐みのり(文筆家)

築80年の農家民泊で、新鮮食材の朝食に眼福。

別府市に移住した友人のもとへ年に一度訪れるのですが、毎日おいしいものを食べ歩く中で忘れられない食事がこちら。築80年の古民家を改装した農家民泊に宿泊した際にいただいた朝食です。地元の新鮮な食材を使った素朴な料理は、シンプルな味付けでとてもおいしい。食器の使い方や盛り付けまで、オーナーの奥様のセンスが光っています。料理は場の雰囲気や作る人の人柄まで味わいになるのだと、しみじみ感じた大切な場所です。季節の旬な素材で料理を提供してくれるので、次に訪れるのも楽しみ。

糧の家
www.katenoie.com

ランチセット¥2,160より、和牛ステーキ和風ソース添え、サラダ、和風スープ、ご飯、食後のデザート、ドリンク。

熊本
濱中鮎子(Uhrディレクター)

帰省したら必ず訪れる、思い出のレストラン。

友人に紹介されてから、帰省したら必ず訪れるガーデンレストラン。心地よい風が吹き抜ける高台にあり、古い蔵を改装した趣のある雰囲気です。地元の新鮮な食材をふんだんに使った料理は、味はもちろん見た目も華やか。お肉も野菜もおいしいのは熊本ならではです! 春から夏は緑の美しいガーデンも使用可能。実は、ここを貸し切ってウェディングパーティを行いました。東京から招いたゲストのみなさん、あまりのおいしさに料理の記憶しかないのではないでしょうか(笑)。

Kura-倉 Cafe
クラくらカフェ

地元の有機野菜を中心とした創作料理を、自然派ワインとともに。こちらはフムスとタコのケッパー煮込み。

尾道
伊藤徹也(カメラマン)

毎晩通ってしまう、隠れ家風ビストロ。

ノスタルジックな響きを持つ町、尾道。駅から徒歩20分、街灯もまばらな場所にランタンのように発光している店がある。明らかに不便な場所にあるにもかかわらず、困ったことに滞在中は毎晩通ってしまう。フムスとタコのケッパー煮込み、粉雪のようにチーズで覆われたチダイのカルパッチョをアテに、オススメのナチュールを流し込み、いつもの夜が始まる。店名はフランス語で、挨拶時に左右の頰にするキスの意味。店主夫妻が親しみの情を込めて作る料理と空間が心地よい。

Bisou ビズー
www.bisouonomichi.com

定番の塩ラーメンは、透明感のあるスープに焦がしネギが少々、あとはもやしとチャーシューだけ。

鹿児島
渡辺康啓(料理家)

九州の常識を覆す、記憶に残る塩ラーメン。

初めて鹿児島を訪れた時、飲み屋のはしごの最後に連れて行かれました。赤いのれんに赤いカウンター、いわゆる町のラーメン屋さんです。九州のラーメンは南に行くほど味が濃くなるのが通説ですが、この店はなんと塩ラーメン。さんざん飲み食いした後なのに、するすると喉を通っていきます。 卵かけご飯も有名なのですが、次回の楽しみとして、その日は帰りました。鹿児島と聞くと、このラーメンを真っ先に思い出してしまうほど記憶に残るおいしさでした。

のり一

いつも必ず注文する、ニシンの切り込み、イカ腑醤油漬け、タラタマ。これがあれば5合は飲めるそう。お通しはマグロブツ。

弘前
長谷川 潤(カメラマン)

地元のおいしい肴と、貴重な日本酒にはまる。

十数年前、近くのホテルに泊まっていたのがきっかけで偶然訪れたこの店。雪が降る中、のれんをくぐると温かい津軽弁でご夫婦が迎えてくれました。冷蔵庫には、いまとなっては入手しづらい地酒「豊盃」がズラリ。日本酒好きなので、津軽の肴とともに楽しみました。そして忘れられないのが、締めにいただいた筋子のおにぎり。薄塩の筋子を津軽産の甘いお米でふんわり握ったおにぎりは、いくらでも食べられそうな味。それ以来、プライベートでも年に数回はこの店を訪れています。

土紋

行列を作ることもある人気店。揚げ豆腐のレモングラス炒めのほか、冬季限定のレモングラス海鮮鍋も名物。

大久保
山本千織(料理家)

気が済むまで食べ続けたい! ベトナム料理屋の一品。

大久保にあるベトナム料理屋、ベトナムちゃんの揚げ豆腐のレモングラス炒め。店の感じが好きというよりも、この一品が好きすぎるので選びました。揚げた豆腐を刻んだものを、レモングラスで炒めただけという料理です。誰かと一緒に分かち合いながら食べるというよりも、とにかく気が済むまでひとりで全部食べたい。飽きてもいいから、いまこのおいしさで満たされたい。まさに“偏愛”という言葉にぴったりなおかずです。

ベトナムちゃん

大胆な見た目のケーキ「ざくろ」は、この店の看板メニュー。シンプルイズベストな逸品。

神戸
樋上公実子(イラストレーター)

シンプルなイチゴのケーキは、学生時代と変わらない味。

学生時代を過ごしていた神戸。当時からケーキ屋さんを探しては食べ歩いていたのですが、この店のケーキは他店の繊細で整えられたものとはまるで違っていました。シンプルで大胆な見た目の『ざくろ』という名前がついたケーキに、まず目が釘付けに。スポンジ生地に主張しすぎないクリーム、イチゴのみ添えられたケーキは、まさに期待どおりの味。フォークを使わずに手掴みで頰張って食べると、より味わい深く、身体に染み渡るような心地がしました。40年ほど前に感動したこの味が、いまも存在することがうれしいです。

元町ケーキ

*『フィガロジャポン』2018年7月号より抜粋

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