ジャガイモを調理する際の6つの注意点。

Gourmet 2018.12.22

ジャガイモを茹でるのは子どもでも簡単にできると一般的に思われがちだが、実はけっこう難しい。パリの人気ビストロのシェフが、正しいジャガイモの茹で方を伝授する。

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ジャガイモを茹でるなんて朝飯前と思いきや、実はそうでもない。 photo : iStock

洗ったジャガイモを沸騰したお湯にいきなり入れて茹でたり、茹でた直後、蒸らさずにお湯から出してしまったりするのは、誤った方法だ。

特に気をつけるべき注意点とは? 人気ビストロ「Bouillon Pigalle(ブイヨン・ピガール)」のシェフ、クレマン・シカール氏がジャガイモのおいしい茹で方とそのコツを紹介する。

芽が出てしまったジャガイモは食べない

ジャガイモの調理について論議する前に、少し覚えておきたいことがある。「できるだけ新鮮なジャガイモを選びましょう。そしてすでに発芽してしまったジャガイモの調理は避けましょう」とシカール氏は言う。ジャガイモの芽は天然毒素のソラニンを高濃度に含み、体内に取り込むと有害であるため、摂取は避けたい。

品種の特徴によって調理方法を選ぶ

ジャガイモには数千もの品種が存在する。そしてその調理法もさまざまだ。「ロズヴァル(Roseval)やシャルロット(Charlotte)のように身がしまった粘質タイプのジャガイモは茹でたり、蒸したりするのに向いています。一方、フライドポテトやマッシュポテトにはスプリーン(Spleen)、ビンチ(Bintje)やアグリア(Agria)のように柔らかく口どけがよい粉質タイプのジャガイモを使います」とシカール氏は述べる。オーブンで焼くなら、サンバ(Samba)やグルナイユ(Grenaille)がオススメだ。

しっかりジャガイモを洗う

調理を始める前にまず、ジャガイモをしっかり洗うことが重要である。「土や残留農薬をしっかり洗い流しましょう」とシカール氏は述べる。せっかく自宅に招いた客がお腹を壊す、なんてことは避けたい。

水から茹でる

シカール氏は一般的によくある間違いとして、お湯からジャガイモを茹でることを挙げた。「お湯から茹でてしまうと、型崩れしやすいでしょう」と同氏は述べ、冷水から茹で始めることを推奨する。またしっかり茹でた後、そのまま15分から20分程度トロ火にかけるとよい。このほんの少しのコツでしっかり茹で上がったかを確認するには、ジャガイモの中心部にナイフを刺してみよう。すっと通るようであれば、調理が完了しているサインだ。

茹でた後でもジャガイモの皮は簡単に剥ける

たくさんのジャガイモを茹でる前に剥くのは面倒である。そこでシカール氏はもっと簡単な方法を提案する。水から茹でた後、鍋の温度が下がるまで放置しよう。するとビックリするほど簡単にジャガイモの皮が剥けるのだ。

茹で汁は再利用可能

ジャガイモの茹で汁は再利用が可能である。シカール氏は言う。「料理に使用するわけではありませんよ。実はジャガイモの茹で汁というのは、床を掃除するのに最高です。ジャガイモに含まれるでんぷん質は油分を吸収して除去してくれるのです。これはまさに昔から伝わるおばあちゃんの知恵です」。近代化学の父ラヴォアジエはかつて「この世に不必要なものなど何ひとつない。一見これ以上使えないと思ったものでも、またもう必要ないと思うものでも再利用が可能だ」と述べたが、まさにそのとおりである。

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texte : Anne-Laure Mignon (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi

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