何を贈る? 平成最後のバレンタイン。#4 お酒とチョコレートの、甘くて濃厚な関係。
Gourmet 2019.01.26
平成最後のバレンタイン特集、最終回はお酒好きに捧げる特別編。昨年オープンした注目のチョコレートバー「カカオテール」の店長 萩原陽介さんに教わる、お酒とチョコレートのベストカップルならぬベストペアリング。甘く濃厚なマリアージュを大切な人と味わいに行くもよし、ペアリングのポイントを参考におうちでトライするもよし。
“自分に贈ろう! 1枚1杯のひと時”を掲げ、チョコレートとお酒で癒やしのひとときを提供する「カカオテール」。店内はコの字カウンター(12席)とテーブル3卓を備えた、ひとりでも気軽に入りやすい作りだ。写真は店長の萩原さん。
「カカオテール」のコンセプトは“お酒とチョコレートのペアリングが楽しめるバー”。注目すべきは、“Bean to Bar”の自家製チョコレートを提供している点。バーテンダーとしてチョコレートとウイスキーの相性のよさに注目していた萩原さんが、“Bean to Bar”の世界を知って既存のチョコレートとの違いに衝撃を受けたことが、自家製チョコレートのバーをオープンするきっかけとなった。
カカオハンター 小方真弓氏から仕入れるなど、信頼できる産地や生産者のカカオ豆を厳選。添加物を足さず、カカオ豆と砂糖のみで自家製チョコレートを作り上げる。
今回は自家製“Bean to Bar”チョコレートと3タイプのお酒のペアリングを紹介。平成最後のバレンタインが、濃く甘〜い素敵な1日になりますように!
PAIRING1. チョコレート×チョコレートカクテル
店名を冠したシグネチャーカクテル「カカオテール」¥1,300、自家製オランジェット¥700
ブランデー漬けにしたオランジェットにウイスキー、オレンジ、蜂蜜で作るカクテルを合わせて。「ペアリングのコツは、両者に共通項をもたせること。ここではどちらにも使われているオレンジと、ウイスキーとブランデーがもつ熟成した香りが共通点。爽やかなオレンジが軽やかさを出し、熟成香が味わいに奥行きを生みます」と萩原さん。
PAIRING2. チョコレート×ビール
ドイツ・バンベルクで1678年から続くラオホ(燻製)ビールの老舗による「シュレンケルラ ラオホ メルツェン」¥1,200、人気メニュー「チョコレートサラミ」¥1,800(ハーフサイズは¥960。1本からテイクアウトも可能)。別添えの黒胡椒やフランス産の蜂蜜と海塩で、味を好みにアレンジできる。
パルミジャーノ・レッジャーノ、ブラックオリーブ、ナッツなどを使った「チョコレートサラミ」に合わせたのはスモークビール。「まず、ビールとチョコレートには焙煎という共通項があります。焙煎による香りやコクがマッチするうえ、麦芽に燻製をかけたビールが塩味のきいたチョコレートの味をより引き立てます。サラミに含まれるチーズの“発酵”、ナッツの“焙煎”もビールとの共通項。両者に同じ要素が多いほど相性が高まります」
PAIRING3. チョコレート×ウイスキー
シェリーの樽で熟成するシングルモルトのスコッチウイスキー「グレンドロナック12年」¥1,200、チョコレートバー「シエラネバダ73%」¥600
カカオ豆の個性がストレートに出るバーには、萩原さんが「チョコレートにベストなお酒」と語るウイスキーを。「香りの開き方や口どけのよさから、チョコレートには温度の低すぎないお酒がおすすめ。ウイスキーならストレートがベストですが、今回は飲みやすさを考えてロックに。アルコール度数が高くチョコレートの油分を溶かしてくれるので、冷たくても口どけを邪魔しません」
「“Bean to Bar”のチョコレートは、産地や発酵によって驚くほど多様な香りの要素を持ちます。ウイスキーもまた、樽熟成によってさまざまな香りを纏います。この“香り”もチョコレートとウイスキーがマッチするポイント。シェリーやドライレーズンの香りを持つ『シエラネバダ73%』には、シェリー樽で熟成した『グレンドロナック12年』がよく合います」
東京都江東区門前仲町1-14-8 下田ビル1F
tel:03-6381-8495
営)18時〜25時30分L.O.(日曜13時〜23時30分L.O.、祝日18時〜23時30分L.O.)
休)月
www.instagram.com/cacaotail/
※テーブルチャージ1人¥540
●掲載時の営業時間や休業日などは掲載後に変更される場合があります。最新情報は店舗にお問い合わせください。
photos:HIROYUKI TAKENOUCHI, réalisation:NAOKO MONZEN