みんな大好き、おいしいオムライス6選。 #03 「洋食の聖地」浅草で愛されるオムライスを堪能。

Gourmet 2019.09.15

きっと誰もが子どもの頃から親しんでいる洋食の定番、オムライス。卵でチキンライスを包んだクラシックなタイプや、特製デミグラスソースをたっぷりかけた逸品、工夫を凝らした個性派など、6軒の名店を厳選してご紹介。浅草の老舗グリルグランドでは、手間暇かけて作る自家製デミグラスソースをかけたオムライスを堪能したい。

先代の教えを守り、昔ながらの洋食を提供。

グリルグランド(浅草)

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「特製オムライス」¥1,700。この贅沢なデミグラスソース使いに浅草洋食の粋が。ほかに、先代から引き継がれた定番のケチャップソースのオムライス(¥1,100)も。

浅草には代々続く洋食店が数あるが、その味が受け継がれてきた理由は浅草っ子の「伝統を重んじ、新しい流行も寛大に受け入れる」というそもそもの気質もあってのことだろう。

1941年に創業したグリルグランド。現在は3代目シェフの坂本良太郎さんが厨房を仕切る。ホールでなじみの客を和やかに迎えるのは、良太郎さんの兄である昌一さん。先代からの教えを守り「できるものはすべて手作り」にこだわって昔ながらの洋食を供し続けている。

名物はクリーミーなベシャメルソースをたっぷり使ったカニクリームコロッケと、3代目渾身の2週間かけて作るデミグラスソースととろとろ卵のコンビネーションがたまらない特製オムライス。

ベシャメルソースとデミグラスソースは洋食店の基本であり、“命”。グリルグランドのデミグラスソースを仕込む過程を見れば、そこにかける思いがよく伝わってくる。

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しっかりと炒めて風味を引き出した鶏ガラなどの食材を、赤ワインやホールトマトとともに煮込む。なめらかな口当たりのデミグラスソースになるよう、煮詰まったら濾すのもポイント。

鶏ガラや牛スジ、牛骨、香味野菜などを焦げ目がつくギリギリのところまでよく炒め、ホールトマトや赤ワインとともに煮込む。煮詰まってきたら濾すという作業を2~3回繰り返すことで味に深いコクが生まれる。

炒めた鶏もも肉やタマネギ、マッシュルーム、ケチャップを加えたバターライスに半熟のオムレツをのせ、デミグラスソースをかければ特製オムライスの出来上がり。口の中で卵の甘味やチキンライスの柔らかい酸味、そしてデミグラスソースの深い旨味が一体となり、筆舌に尽くしがたいほどの“口福感”に満たされる。

真っ当でごまかしのない手仕事が生むおいしさに、この店の“老舗”たる所以を知る。

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洋食店らしい洒脱な雰囲気。1階はテーブル席、2階にはお座敷が。正統派の洋食をゆったりと味わいたい。

グリルグランド
東京都台東区浅草3-24-6
tel:03-3874-2351
営)11:30~13:45L.O.、17:00~20:30L.O.
休)日、月

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※この記事に掲載している商品・サービスの価格は、2019年9月時点の8%の消費税を含んだ価格です。

photos : YUKO CHIBA, réalisation : KEIKO KODERA

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