飲茶をもっと楽しむための、中国茶の基礎知識。

Gourmet 2019.11.24

もともとは“お茶を楽しむ”ことから発展した飲茶文化。1000を超える種類の中から、点心にもぴったりな6種の中国茶を、専門店「GUDDI」の伊藤悠美子オーナーに教えてもらった。

伊藤悠美子|グディオーナー

大連出身。来日後、2006年に麻布にて中国茶専門店GUDDIを設立。レストランへの卸をするいっぽう、中国茶サロンも開設。中国政府公認高級評茶師。

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日本でもすっかりおなじみの中国茶。とはいえ、ひと口に中国茶といっても種類はさまざま。その数なんと1000 種以上ともいわれる。

「雲南省など中国南西部がお茶の原産地です」と今回中国茶について教えてくれたのが、中国生まれの伊藤悠美子さん。お茶に関する世界最古の書『茶経』によれば、中国茶の起源は約4000 年前。周(紀元前1100 頃〜256 年)の武王の時代には、すでにお茶を飲む習慣があったとか。最初は薬として飲まれていたようだ。伊藤さんは「中国茶は発酵や製造方法によって黒茶、紅茶、青茶、黄茶、白茶、緑茶の6 種類に大別され、そのほかに花茶のような茶外茶があります」と話す。 

計6種の中で黒茶が最も発酵度が高く、プーアル茶がおなじみだろう。だが、その中にも自然発酵よる生プーアル茶と人工的に発酵を進めた熟プーアル茶があり、「胃腸の弱い人向き。ポリフェノールも豊富で生活習慣病にいい」とか。次に発酵度が高いのが紅茶で、有名なのはラプサンスーチョン。また、発酵度が30~70%と幅が広く種類も多いのが青茶。北は武夷山で採れる岩茶と南の福建省で採れる鉄観音茶が有名だ。

黄茶白茶は発酵度20%の弱発酵茶。黄茶は君山銀針、白茶は寿眉茶がよく知られている。ともに軽やかで爽やかな香りが特徴。ちなみに花茶のジャスミン茶は、この白茶や緑茶にジャスミンの花の香りを着香したものだ。発酵度が10%と最も低いのは緑茶。杭州の龍井茶がよく知られる。日本の緑茶の原点でもあり、ビタミンCが豊富。「雪どけ水が土を潤す春のお茶が最高といわれますが、採取する季節、採れる場所、環境によって茶の味は大きく変わります」と伊藤さん。お茶もワイン同様、テロワールが大切なのだ。

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※『フィガロジャポン』2019年9月号より抜粋

※この記事に掲載している商品・サービスの価格は、本誌発売2019年7月時点の8%の消費税を含んだ価格です。

photos : JOHN CHAN, texte : KEIKO MORIWAKI

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