おうちご飯が楽しくなる、テイクアウト日記。#02 鯖鮨からパスタまで、こだわりの一品をおうちで堪能。

外出自粛要請に伴い、多くの飲食店がテイクアウトを提供中。大好きな行きつけから、予約の取れない人気店、近所の隠れた名店まで、フードライターが自らテイクアウトしたおすすめをご紹介。今回も「フィガロジャポン」の連載「TOKYO Gourmande」をはじめ多くのレストランや料理人の取材を行う森脇慶子さんによるセレクトをお届け。各店のこだわりが詰まった名物料理を家で楽しんで。

選・文／森脇慶子（フードライター）

1. 銀座 鮨青木（銀座）

肉厚の鯖を贅沢に使った逸品。

「さば鮨」1本￥5,400〜

ずっしりとした重みのある竹皮の包みを開ければ、厚みのある真昆布に包まれた鯖の棒鮨が堂々と横たわる。これが、江戸前鮨の名店「銀座 鮨青木」の隠れた名物「さば鮨」だ。江戸前鮨を標榜しつつも鯖鮨が評判なのはなぜ？と思われるかもしれないが、銀座の老舗「なか田」で修業を積んだ先代が京都木屋町で独立したと聞けば納得がいく。

鯖鮨の本場京都で培われた技術により、本家本元にも引けを取らぬ逸品だ。厚さ2cmはあろうかというほど肉厚の鯖は、脂ののった三陸産。これを塩で締めること2時間、その後酢で30分締めた鯖は、握りよりもやや強めに締めてはいるものの、生の風合いをほどよく残した身の締まり具合が絶妙。ややもっちりとした食感の鮨飯とのバランスはさすがというべきだろう。口にすれば、上質な鯖ならではの脂の旨味と風味が広がり、思わずもうひとつ、と手がのびる。生臭さは皆無。「さば鮨」は1本￥5,400から。そのほか、「ちらし鮨」（￥3,240〜）や「太巻」（￥3,240〜）などのテイクアウトもある。

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2. 肉割烹 上 -JO-（西麻布）

但馬牛のさまざまな肉料理をふんだんに。

但馬牛のさまざまな部位と旬の素材を使った「肉割烹 上 謹製 厳選和牛弁当」￥7,560

特注の窯で焼くステーキをメインに、タルタルやビフカツ、すき焼きなどバラエティ豊かな肉料理の数々で肉ラバーを魅了する西麻布の「肉割烹 上 -JO-」。ミシュランの星を持つ同店のテイクアウトが、4月29日から始めた「肉割烹 上 謹製 厳選和牛弁当」だ。蓋を開ければ、炭火の薫香も芳ばしい窯焼きステーキにすき焼き、ミニハンバーグ、メンチカツとさまざまな牛肉料理がびっしり。それも、すべて滋賀県田村牧場の純但馬牛のみという贅沢さだ。

「ステーキにはヒレやシンシン、ランプなどの赤身系、すき焼きはサーロインやリブロースといった霜降り系の肉を主に使っています」とは大久保丈太郎シェフ。冷めてもおいしく食べられるよう、すき焼きはやや甘めに仕上げているそうで、下に敷いた季節の炊き込みご飯（今回はタケノコ）とのリッチなコンビネーションも楽しみ。牛肉100%のハンバーグも小さいながら存在感あり。このほか、海の幸とのコラボも見事な「特選和牛と海鮮のバラちらし」（￥7,560）、「和牛そぼろのお好み弁当」（￥3,780）もある。

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3. 旬香亭（目白）

洋食の魅力が詰まった幕の内弁当。

「洋風幕の内弁当」上￥2,700。内容は季節や仕入れによって変わる。ほかに中（￥2,268）、特上（￥3,780）もあり。

白木の箱の蓋を開ければ、俵型に型押しされたご飯と色とりどりのおかずがぎっしり。“俵型の握り飯と複数の副食を詰め合わせたお弁当”という“幕の内弁当”のセオリーどおりの佳品がこれ。目白「旬香亭」のその名も「洋風幕の内弁当」だ。

海老フライやミートボールの煮込みといった洋食メニューから卵焼きやガンモの煮物、塩鮭に鰆の幽庵焼き、タコの柔らか煮など和のお惣菜まで実に盛りだくさん！　なかでもローストビーフは、赤身がおいしい熊本産あか牛を使用。脂肪が少ない分、冷めてもあっさり。肉厚でありながらしっとりと柔らかく美味。もちもちとした食感のご飯はシソとワカメ入り。甘味や酸味、辛味のバランスもよく、ボリュームたっぷりながら最後まで飽きずに食べられる。

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4. 高井戸麻婆TABLE（高井戸）

ファンの多い麻婆豆腐をワンコインで。

「麻婆豆腐」（手前）と「鶏の唐揚げ」（奥）各￥500

井の頭線高井戸駅から歩くこと7〜8分。環八沿いにありながら、うっかりしていると見落としてしまいそうな佇まいの一軒がここ「高井戸麻婆TABLE」だ。その名のとおり麻婆豆腐や担々麺など四川系ピリ辛料理が安くておいしいと地元民にも好評の同店が、かねてから要望の多かった名物「麻婆豆腐」のテイクアウトを解禁。1パックたった￥500という良心的な価格もうれしいかぎり。

2種の豆板醬と11種あまりのスパイスで作る自家製ラー油が豊かな旨味と爽やかな香りと辛味を生む麻婆豆腐は、麻と辣のバランスが絶妙。ご飯が進むこと請け合いだ。また、鶏の唐揚げはシンプルなニンニク醤油味。冷めても硬くならず、素朴ながらボリュームもたっぷりで、飽きのこない味。

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5. サローネ2007（オンラインショップ）

名店のパスタソースセットをお取り寄せ。

「イタリアで５年修業したシェフがつくる究極のミートソースパスタセット」（2人前）￥2,700

カジュアルなオステリアからフォーマルなリストランテまで幅広い形態のイタリア料理で人気のサローネグループ。そのレストランのクオリティをそのまま家庭でも手軽に味わえるようにと作られたのが、オリジナルのパスタソースセットだ。全6店のシェフがそれぞれ手がけたパスタソースは全部で8〜10種類ほど。なかでも樋口敬洋エグゼクティブシェフのいち押しは「究極のミートソースパスタ」。ボロネーゼの本場エミリア=ロマーニャ州をはじめイタリアで5年間修業した「サローネ トウキョウ」の永島義国シェフ渾身の一品だ。

味の決め手は丁寧に作られたべシャメルソース。「牛挽肉のラグーソース8に対しべシャメルが2の割合で入っています。完全に混ぜ合わせてしまうより、マーブル状になるよう、パスタにかけて食べるとよりおいしいと思います」とは樋口シェフからのアドバイス。老舗製麺所「浅草開化楼」と共同で開発したパスタフレスカは、加水率を通常より20%減らした低加水麺。独特のしっかりした歯ごたえは、ミルキーでコクのあるソースとの相性も抜群だ。

※この記事に記載している価格は、軽減税率8％の税込価格です。

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