東京で食べるイタリア郷土料理。#05 【イタリア郷土料理】本場のスパゲッティボロネーゼ。

Gourmet 2019.10.02

発売中の「フィガロジャポン」本誌11月号は、イタリア特集! それぞれが個性的な町や村がモザイクのように煌めく、イタリアの魅力がぎゅっと詰まった一冊です。オンラインでは、東京のイタリア料理店でいただける、イタリア10州の郷土料理をフィーチャー。エミリア=ロマーニャ州からは、州都ボローニャで生まれた、日本人にも親しみ深いあのパスタ料理をご紹介。

エミリア=ロマーニャ州「ボロネーゼ」

トレ・ガッティ(目白)

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「ボローニャ風ラグーで和えたタリアテッレ」¥1,600。ソースというより、キーマカレー状態の挽き肉は肉肉しい。ちなみにラグーとは、イタリア語やフランス語で“煮込む”の意味。

イタリア料理店はもとより、喫茶店や家庭でもすっかりおなじみとなった「スパゲッティミートソース」。いまやナポリタンと並ぶ日本定番のスパゲティといってもいいだろう。だが、「正式名は『ラグー・アッラ・ボロネーゼ』。美食の街としても知られるエミリア=ロマーニャ州の州都ボローニャで生まれた伝統的なパスタです」。こう説明してくれたのは、目白「トレ ガッティ」の眞壁貴広シェフ。

オープンして3年目を迎える同店は、東京でも珍しいエミリア=ロマーニャ州の料理に特化したレストランだ。眞壁シェフによれば、現地のそれは「日本のような汁気のあるソースではなく、いってみれば肉そぼろ状態。肉感を残した仕上がりになっています」とのこと。

肉は、豚、仔牛、牛と作る人それぞれだそうだが、現地で必ず入れるのが、この地方名産のモルタデッラソーセージやパンチェッタといった食肉加工品の数々。これでよりコクが増すというわけだ。また、パスタもスパゲッティではなく、タリアテッレを使うのが定石だ。

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「パルマ産生ハム CASA社24カ月」¥1,600と「ニョッコフリット」(2個)¥600。右の皿にのっている丸い小さなパンがティジェッレで、生ハムに付いてくる。その横がニョッコフリットで、生ハムを挟んで食べるとおいしい。ティジェッレは、小さなうつわに入った「ペースト・モデネーゼ」()を塗り、お好みでパルミジャーノ・レッジャーノや生ハムを挟んで召し上がれ。

エミリア=ロマーニャ州は、ポー川流域の肥沃な大地に恵まれ、食品産業も盛ん。パルミジャーノ・レッジャーノやモデナバルサミコ酢のほか、パルマの生ハムなどの名産品も多い。その生ハム類などを挟んで食べる、エミリア地方名物のパンがティジェッレだ。ラードと水、粉のみの生地を、大判焼き器のような専用の焼き型で焼く薄焼きのパンで、素朴な味が生ハムとよく合う。

*ペースト・モデネーゼ:ラルド(背脂の塩漬け)とニンニク、ローズマリー、セージ少々に塩を合わせてペースト状にしたもの。

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エミリア=ロマーニャ州のすべてが大好き!という眞壁シェフの思いが詰まった一軒。それゆえ、メニューはエミリア=ロマーニャ料理一色。なかでもトルテリーニ(ボローニャ、モデナ周辺名物の詰め物パスタ)はシェフの自信作。

トレ・ガッティ
東京都豊島区目白3-13-1 コトブキビル2F
Tel. 03-3565-6181
営)18:00~23:00 L.O.(月、水~金) 12:00~13:30 L.O.、18:00~23:00 L.O.(土、日)
休)火
www.facebook.com/tregatti0917

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※この記事に掲載している商品・サービスの価格は、2019年9月時点の8%の消費税を含んだ価格です。

photos : KAYOKO UEDA, texte : KEIKO MORIWAKI

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