旬を愛でる、秋グルメ辞典。 大人が喜ぶサンマ料理は、脂の旨味と苦みがポイント。

Gourmet 2020.10.27

この季節の定番食材といえばやっぱりサンマ。脂ののったサンマは、しみじみと秋を感じさせてくれる。

サ ン マ

江戸時代から大衆魚の王様と言われたサンマだが、今年は価格が高騰し話題に。お腹が太っているのがおいしさの証。

 

正統和食を貫く、腕利き店主に注目。
麻布 和敬|乃木坂

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料理はすべて日々メニューが替わる¥16,500のコースから。「サンマ共肝焼き」はサンマの肝をたたき、醤油、みりんをかけ焼きに。ギンナンのソースとイクラをたっぷりと。

ミシュランガイド広島・愛媛版で2ツ星を獲得した日本料理店が東京に進出。独立前は東京、分とく山でも和食と向き合った店主とあって、食材への慈しみを感じる料理には絶対的な安定感がある。豊富な経験を生かし、旬を見事に切り取ったコースはひと皿ひと皿が食べ手の五感に響く。コースの中にはサンマの香ばしさとほろ苦さが口いっぱいに広がる共肝焼きなど、お酒好きにはたまらない料理も登場。店主がこだわるうつわ使いとあしらいにも、秋の情緒を感じたい。

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「サケ サトイモ キノコ餡かけ」。サトイモは六方に剥いて余計なぬめりを落とすために米糠で炊き、サケとキノコに餡でとろみをつけた。丁寧な仕事と素材が光る、秋薫るひと皿。

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カウンターのほかに2~6名用の個室もある。

麻布 和敬|Azabu Wakei
東京都港区西麻布2-7-9 1F
tel:03-3486-0149
営)12時~13時最終入店、18時~21時L.O.
休)日
要予約
https://wakei.tokyo

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居心地のよさと、誠実な料理が魅力。
松陰鶴水|松陰神社前

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料理はすべて¥8,800~のコースから。「サンマの腸焼き」は新鮮なサンマのワタに醤油や酒を合わせて火にかけて作る。

吉田松陰ゆかりの地として知られる松陰神社のお膝元。オープン以来、食好きから価格は気軽でも料理に圧倒的なパワーを感じると評判なのが松陰鶴水だ。食&呑み道楽の店主が作る料理はコースで提供。かつて勤めた日本料理店の定番料理だったというサンマの腸焼きは、池波正太郎の著書にもたびたび登場している秋の滋味で、日本酒とワタの相性は言わずもがな。北会津で親戚が営む農園や市場から仕入れる旬味が満載で、ひと皿ごとに胸がときめく。気軽に楽しめる4,400円の酒肴コースもある。

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「ハモとマツタケの土瓶蒸し」。梅雨の水を飲むとおいしくなると言われるハモとマツタケ。出汁に使うハモの骨は焼いて香ばしさを出し、具材を蒸すことで風味がまろやかに。

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1階はカウンター、2階のテーブル席は貸切りのみ対応。

松陰鶴水|Shoin Tsurumizu
東京都世田谷区若林4-20-10
tel:03-6874-3699
営)12時~14時L.O.、18時~23時L.O. ※ランチは予約に応じて営業
不定休 
要予約
www.facebook.com/松陰鶴水-392904857805985

*『フィガロジャポン』2020年10月号より抜粋

●新型コロナウイルス感染症の影響により、営業時間や定休日が変更となる場合があります。最新の情報は各店舗へお問い合わせください。

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photos : YOICHIRO KIKUCHI, réalisation : KEIKO KODERA

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