ショコラの魔術師が贈る日本初の彫刻展。

Gourmet 2018.06.01

ショコラティエにとって最高の栄誉であるM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)を30歳の若さで獲得したパトリック・ロジェ。フランス国内に9店舗、ベルギーに1店舗を展開している彼のブティックには、自らが創作した彫刻作品が並び、まるで前衛芸術のギャラリーのよう。

そんなアーティストとしての顔をもつパトリックが、6月2日(土)から7月2日(月)まで東京ミッドタウン内にある21_21DESIGN SIGHTギャラリー3にて、日本初の彫刻展「TRAVELS TRAVEL(LER)」を開催する。「私はチョコレートで実体を作り、それに命を吹き込む本物の彫刻家です。どこまでがチョコレートでどこからが彫刻なのか。この答えは作品の中に見つかるでしょう」と語るパトリック。

チョコレートをじかに削った『北の国』に始まり、ブロンズやアルミニウム、大理石やコンクリート、さらに瑪瑙やダイヤモンドまで、多様な素材をもとに彫刻芸術のあらゆる可能性を追求した30点あまりの作品が展示される。「タイトルに込めたのは、空想しながら鑑賞すること。彫刻作品の世界をめぐる旅によって、鑑賞者は空想を膨らませることができるでしょう」。変幻自在に素材を操る“ショコラの魔術師”によるユニークな展示に期待が高まる。

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パリ市内ではクリスティーズなどのギャラリーで彫刻展を開催しているパトリック・ロジェ。「チョコレートは味覚を備えた造形芸術」と語る。
 

展覧会では彫刻作品の世界と鑑賞者をつなぎ、対話を促す展示デザインも見どころの一つとなっている。今回、キュレーションおよび展示デザインを担当したのはリナ・ゴットメ。昨年国立博物館で開催された「フランス人間国宝展」の空間演出や、2016年に竣工したエストニア国立博物館などの設計で知られるリナは、世界中が注目する建築家だ。「チョコレートからブロンズ、手彫りから鋳造、味覚から視覚へと、パトリックは境界を越え、領域を横断し、人間を取り巻く世界の見方に新しい視点を発信します」と展覧会への意欲を語った。

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パリを拠点にグローバルに活躍するクリエイティブ事務所Lina Ghotmeh-Architectureの創設者、リナ・ゴットメ。人間中心主義にあふれた斬新な空間演出が高く評価され、数々の受賞歴をもつ。
 
パトリック・ロジェ TRAVELS TRAVEL(LER)

開催日時:2018年6月2日(土)〜7月2日(月)
     10時〜19時

休館日:火曜日

会場:21_21DESIGN SIGHTギャラリー3
   東京都港区赤坂9-7-6 
         東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
         tel:03-3475-2121 
   www.2121designsight.jp/

         ●問い合わせ先:
         tel:03-5777-8600(ハローダイヤル)

texte : JUNKO KUBODERA

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