グルマンライターのカレー&町中華食べ歩き。 身体に優しい、スパイス香るスリランカカレーが新定番。
Gourmet 2021.05.21
スパイスカレー好きのグルメプロが気になる新店にトライ!食べ歩きで見つけた個性豊かな絶品とは?
SRI LANKAN CURRY
インドやタイに続き、すっかり日本に定着したスリランカカレー。スリランカ料理には予防医学であるアーユルヴェーダが取り入れられていて、カレーも油分が少なく、サラッと軽いのが特徴。店ごとに使っているスパイスも実にさまざまで、知れば知るほどその奥深さに触れたくなる。
スリランカ人は朝からカレーを食べるが、一日の始めに訪れたいのが四谷のスパイスカレー食堂。スリランカ航空のケータリングシェフが監修したカレーは、使用するスパイスが8種類とほどよく、朝の胃にも優しい。「ブラックチキンカレー」(¥1,200)はチキン、豆、ジャガイモとインゲンの3種類で、ジャスミンライスと4種類の副菜が付く。ハーフサイズや8~11時限定の朝カレー(¥500)があるのも魅力。
ブラックチキンカレー

スパイスカレー食堂
今年2月にオープンしたスリランカカレー専門店。定番カレーは、チキン、ポーク、豆腐で作るベジタブルキーマの3種類で、合いがけも可。1日100食限定で、14時頃までの入店が確実だ。
Spicecurry Shokudo
東京都新宿区四谷2-9-15
tel : 080-9801-0843
営)8時~16時 L.O(月~金)11時~16時 L.O(土、日、祝)
※売り切れ次第終了
休)無休
www.spicecurrylabo.com
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同じく優しい味わいなのが、昨年オープンのタップロボーン神保町店。ここでは、ベジタリアンカレーの「アーユルヴェーダ・ラトゥキャクルワンプレート」(¥1,380)を。ラトゥキャクルはスリランカ産赤米のことで、ソイミート、野菜、日替わりの3種類カレーが一皿に。モルディブフィッシュというカツオ節を使っているので、出汁が効いたそば屋のカレーに通ずる味で日本人の舌に合う。
アーユルヴェーダ・ラトゥキャクル ワンプレート

タップロボーン神保町店
東京都内に3店舗目としてオープン。本国出身のオーナーが営むスリランカ料理店の草分け的存在で、スパイス使いも本格的。アーユルヴェーダの理論に基づいた身体にいい料理が揃う。
Taprobane
東京都千代田区神田神保町2-6-3
tel : 03-6878-0196
営)11時30分~15時 L.O.、17時30分~20時30分 L.O.
休)休日
https://taprobane.info
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比較的スパイスを効かせたカレーがお好みなら、昨年10月にオープンした蔵前のセレンディッブへ。スパイスはスリランカに住むシェフのお母さんがブレンドしているそうで、文字どおり母の味だ。「スリランカプレート」(¥1,200)は日本食材も積極的に取り入れながら、アーユルヴェーダの基本である6つの味を摂取できる。カレーはダールとビーツのほか、肉または魚から1種類で、食後も爽快感が続いて気分もスッキリ!
スリランカプレート

セレンディッブ
スリランカ人シェフと日本人の夫婦が営む店で、シェフのお母さんのレシピを受け継いだ家庭料理が味わえる。ヴィーガン対応も可。
Serendib
東京都台東区寿3-8-3
tel : 03-6231-7325
営)11 時30 分~14 時30 分L.O.、17時~20時L.O(月、水~土) 11時30分~14時30分L.O(日) 11時30分~16時L.O(祝)
休)火
www.serendib.jp
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これまでの3軒と異なり、ホテルスタイルで提供するのがバンダラランカ。家庭的なカレーとの違いは、一皿に盛り付ける品数が多く、使用するスパイスも30種類にも及ぶ。「スリランカカレープレート」(¥1,650)は、豆とスパイシーチキンのカレー2種類とスパイス料理7種類、ライスも赤米とイエローライスの2種類、デザートと紅茶付きのフルコースのような食べごたえ。カレーと副菜を少しずつ混ぜて食べると、複雑に変化する旨味にときめく。

バンダラランカ
オーナーは、祖国スリランカのホテルや東京の有名ホテルに勤めた、おもてなしのプロ。そのため、料理もサービスもホテルスタイルにこだわり、優雅な空間でカレーと紅茶を楽しめる。
Bandara Lanka
東京都新宿区大京町12-9
tel : 03-6883-9607
営)11時~14時30分 L.O.、17時~20時 L.O.
休)月
www.bandaralanka.jp
スリランカカレーは、身体を整えてくれるスパイス料理だ。実際に食べ歩いても胃もたれ知らずで、身体が驚くほど軽やか。同じ店でも具材の混ぜ方によって味わいが異なるので、何度もリピートしたくなる。めくるめくスパイスカレーの世界にますます魅せられてしまった。
※『フィガロジャポン』2021年6月号より抜粋
photos : NORIKO YONEYAMA réalisation CHIAKI TANABE