things to do 2019 2019年は、北欧アートオブジェの展覧会を見逃すな。
Interiors 2019.01.24
フィンランド陶芸の展覧会が目白押し。芸術に昇華した日用品を鑑賞しよう。
2019年は、日本とフィンランドの修好100周年にあたる記念すべき年。100年前のフィンランドはロシアから独立を果たし、好景気のもと調度品への人々の関心が高まって、陶芸の専門教育が始まった時代だ。
マリメッコで知られる石本藤雄の展覧会が、細見美術館で開催。77歳のいまも創作を続けている。左から、石本藤雄『ヘチマ』(陶器/丸皿)、『ストライプ』(陶器/角皿)
名窯・アラビア製陶所でも1932年に芸術部門が設立され、新しい表現に満ちたアート性の高い作品が次々と生まれた。今年は、そんなフィンランド陶芸の躍進を支えた歴代作家、キュッリッキ・サルメンハーラやルート・ブリュック、石本藤雄の貴重な作品を鑑賞できる展覧会が目白押し。
岐阜県現代陶芸美術館では、フィンランド陶芸の歴史と作品を紹介。キュッリッキ・サルメンハーラ『壷』(1957年)、アラビア製陶所コレクション・カッコネン
北欧ヴィンテージを扱うエレファントでも、戦後のプロダクトデザインを切り開いた後、ガラスメーカーのヌータヤルヴィでアートオブジェを手がけたカイ・フランクにあらためて注目する。「カイが70年代に挑んだガラスの表現は、どれも革新的でゾクゾクするほど美しい。
アラビア製陶所を経て、ヌータヤルヴィでガラスに力を入れたカイ・フランクのアートオブジェ(限定生産)や、マニア必見の一点ものを取り揃える。左から、『KREMLIN BELLS』(1957~68年)¥378,000、『GOBLET』(1968~71年)¥108,000、『LOKINPOIKANEN BIRD』(1976年価格未定)/以上エレファント
北欧のアートオブジェは、生活に彩りを与える文化活動でもありました」と、オーナーは語る。北欧では、陶磁器やガラスを鑑賞することも使うことのひとつなのだ。気持ちを豊かにするアートオブジェを探しに出かけてみよう。
ルート・ブリュックはアラビア製陶所の芸術部門で技術を磨き、巧みな釉薬使いとスタンプやエングレービングという加飾方法で、独特の色彩にあふれた陶版技法を確立。新たな視野と発想で陶磁器の世界を広げた。東京ステーションギャラリーの展覧会では、時代ごとに変化する詩的な作品を堪能できる。左から、『蝶たち』(1957年)、『ヴェネチアの宮殿:リアルト橋』(1953年)、『ライオン』(1957年)、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団蔵
■展覧会情報
『フィンランド陶芸 芸術家たちのユートピア』
会期:開催中~2/24
岐阜県現代陶芸美術館(岐阜・多治見)
営)10時~18時
休)月
料一般¥1,000
●問い合わせ先:
tel:0572-28-3100
www.cpm-gifu.jp/museum
『マリメッコの花から陶の実へ 石本藤雄展-琳派との対話-』
会期:3/9~4/21
細見美術館(京都・岡崎)
営)10時~18時
休)月
料一般¥1,300
●問い合わせ先:
tel:075-752-5555
www.fujiwo-ishimoto.com
『 ルート・ブリュック 蝶の軌跡』
会期:4/27~6/16
東京ステーションギャラリー(東京・丸の内)
営)10時~18時(金は~20時)
休)月
料一般¥1,100
●問い合わせ先:
tel:03-3212-2485
www.ejrcf.or.jp/gallery
texte:SAIKO ENA