牡羊座は新しい味が好き、牡牛座は手の込んだ料理を愛する......占星術師が読み解く、星座別のグルメ傾向とは?
Lifestyle 2025.02.10
星座ごとに、料理の好み、そしてキッチンやテーブルでの振る舞いに傾向はある? グルメな牡牛座、陽気な蟹座、快活な射手座......と綴った『Astro Food(星の食べ物)』の著者である占星術師アメリー・ヴァイルが、私たちの食卓を分析し、その結果を教えてくれた。
古くからの風習によると、仏ポワトゥー地方では、月が満ちる間に植えた西洋ゴボウのサルシファイは「脚が生えて」成長し、ヴォージュ地方では、魚座の季節まで待ってからニンジンを植えたほうがよいとされている。意外に思われるかもしれないが、占星術と美食の間には確かに繋がりがある。占星術師アメリー・ヴァイルは、初の著書『Astro food』(フラマリオン社刊)でもこのテーマを取り上げている。彼女によると、鍋の形をした北斗七星の7つの星が、食に関して究極の星座だという。
「5000年以上も前に、メソポタミアと古代エジプトの粘土板から占星術の最初の文字が見つかって以来、このふたつの分野は融合してきました」と、彼女は説明する。星付きシェフのティエリー・マルクスが共同創刊した季刊誌「ボン」のジャーナリストでもあるアメリー。「大地の農産物を耕す人々は、常に空を見つめながら働いてきました。その昔、狩猟採集民は雲の量や、雪や雨の兆候に応じて、翌日の食事がおいしいかどうかを予測しました。今日では、夜の星空が明るく輝いているかによって、農家は翌朝に小麦を蒔くことができるか判断するのです」
この本の目的は、新しい食事法やその他の奇跡的な治療法を、12星座ごとに展開することではない。射手座だからチコリを食べろとか、牡羊座だからトマトを食べろとか、あるいは水瓶座だから嵐の日に断食しなさいとか、そんなことを言うのではない。占星術と美食の関係性を読み解くのは、あなたの性格やほかの人の個性を探るためなのだ。食べることは単に自分を養うものではない。料理は私たちの文化や習慣の一部であり、私たちを定義するものである。
特に私たちフランス人は、食卓で過ごす時間は世界チャンピオン。OECDの数字*によると、世界平均は1日1時間31分なのに対し、我々は1日平均2時間13分食卓で過ごしている。「食について正確な占いはできませんが、占星術によって、私たちの料理の好みや食卓での過ごし方について明らかにすることができます」と著者は述べている。「占星術は私たちの心を癒し、笑顔にしてくれます。想像力と自嘲的な感覚を育み、互いをより愛し、支え合う助けとなるのです」
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牡羊座
「牡羊座は黄道十二宮の最初の星座です。牡羊座は生命と、冬を乗り越えた春の始まりを体現しています。そのため牡羊座は、達成したい目標に向かって、時に縦横無尽に走り続けます。牡羊座でなければ、誰にそうする勇気があるでしょうか? 牡羊座にとって、物ごとはストーブの裏側で動いています。包丁を手に動き回り、切り刻み、味付けし、スパイスを利かせたりしてますが、火を見ていないので結局失敗し、『そこで何が燃えているんだ?』と口ごもることも。料理をしているのは彼らではないにもかかわらず、自分の意見を言わずにはいられません」
「テーブルでは、たとえミスをしたり、ちょっとした気配りが欠けていたとしても、雰囲気を盛り上げてくれるのは牡羊座です。牡羊座と一緒にいると、退屈することはありません! 歩きながらお気に入りのサンドイッチを食べたり、ランチのために屋台に立ち寄ったりと、食に関しても動き回ることが牡羊座には必要なのです。そして牡羊座を喜ばせるのは簡単で、新しい味を発見することが、珍味を人にシェアするのと同じくらい好きなのです」
牡牛座
「牡羊座は創造的な原動力を提供しますが、牡牛座はそれを具体化し、具現化することができます。これが、牡牛座が最も肉欲的で貪欲な星座という評価を受ける理由です。快楽を求め、食べるのをやめて『うーん、おいしい』と叫ぶのも牡牛座ならでは。愛と美の女神であるヴィーナス(金星)に支配されているこの星座は、現実を感じ、味わい、形作ることで、自分の存在を感じることができます」
「牡牛座にとって、食べることは重要です。大地から生まれ、時間をかけて確かな技術によって高められたものを愛します。そのため、自分のペースで何時間もキッチンに立ち、常にシンプルでありながら決して平凡ではない傑作を作り上げます。魅惑的な森の端にある居心地のいいコテージで、長い時間をかけて煮込んだ料理が置かれたテーブルに座ることが理想です」
双子座
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「生命が誕生し、しっかりと根を下ろしたいま、私たちを取り巻く世界を探索する時が来ました。活発でくるくる回る存在の双子座は、好奇心を試すために存在します。学び、理解し、発見することに熱心です。そのため食べ物や味付けに関しては、ゲストを驚かせたり、自分の直感を試したりすることを好みます。『そうそう、生姜を入れたんだった......それともターメリックだったかな?』と、ドキドキしながら料理をするのです」
「即興のごちそうが大好きな双子座のお気に入りの食材は、いつだって創意工夫です。夕食会で双子座を見分けるのは簡単です。料理を楽しむだけでなく、話題にも変化をつける人です。双子座にとっては、座るということは、さまざまな方法の食べ方をすることです。だから自分の皿を持って、3回場所を変えて皆と話し込み、ピーナッツバターについて議論を始め、隣のテーブルの人とおしゃべりを楽しむのです」
蟹座
「最初の水の星座である蟹座の季節は、私たちをエモーショナルな領域へと誘います。蟹座が最も愛するのは、人を集め、喜びを与えることです。蟹座は他人を気遣いますが、彼らにとって、食べ物も気遣いのひとつです。気配り上手な蟹座は、他人のニーズを察し、先回りして考え、なぜ他の人は同じことをしないのだろうと不思議に思うのです。要するに、蟹座は料理をするうえでも、すりおろしたり、スライスしたり、かき混ぜたりするものすべてに愛情を注ぎます」
「蟹座の密かな妄想? それは、素晴らしい庭に囲まれた古い石造りの家に住み、友人や子どもたちとテーブルを囲んで、グルメなミルフィーユや焼きたてのブルーベリータルトといった、おばあちゃんのケーキを食べることです。このちょっとした罪悪感を伴う楽しみが、彼らの日々の糧になっています。もし彼らが用意したものが気に入らなくても、本人には言わず、やさしく振る舞ってください。プライベートな領域のキッチンには、手を出さないことです!」
獅子座
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「太陽が草原をまばゆく照らすように、生命が熟し、味わう準備が整う季節。獅子座にとって、すべてが素晴らしいものでなければなりません。企画からプレゼンテーションまで、獅子座は何よりも素晴らしい料理を準備することが大好きです。彼らが唯一我慢できないのは、平凡さです。言い換えれば、彼らは手を汚すことを恐れず、ゲストを喜ばせるためならなんだってやります」
「ゲストにアルザス出身の曽祖母がいることを知ると、(アルザス第2の都市の)ミュルーズで料理教室に通い、世界最高のフライシュシュナッカ(編集部注:残りもののポトフを使ったカタツムリの形に巻いたパスタ)を作ることも厭いません! 獅子座は人を感動させ、笑わせるのが大好きです。彼らといると、すべてがパーティーになります。獅子座の極度の気前の良さは言うまでもありません。何も頼んでいなくても、デザートに巨大なサントノーレを持ってきてくれるようなタイプです」
乙女座
「夏の終わりに、アリは冬に備えて食料を準備し、セミに踊るのをやめるよう警告します。これこそが乙女座の季節であり、知恵と規律の静かな声が聞こえてきます。乙女座は嵐を見守るランタンであり、勇敢かつ穏やかで、常に頼りにできる存在です。彼らが料理を始める時、すべての材料は事前に洗われ、計量され、熟考されています」
「テクニックを必要とするお菓子作り(マカロンなど)をもマスターした彼らは、ヘルシーで手の込んだ料理を作ることに没頭し始めます。テーブルでは控えめな星座ですが、困っている人を手伝おうと立ち上がったりもします。また乙女座は、エンドウ豆のピューレを繊細に引き立てるミントの香りなど、ほかの誰も気付かない細部にも気付きます。少し頑固だったり、うるさい点を批判されるかもしれません。とはいえ、ハイキングの途中で、彼らがお腹が空いた人のためにゴマビスケットを取り出してくれたりすると、とても幸せな気分になります」
天秤座
「冬の始まりが空気中に感じられるこの時期、天秤座は集団的で融和的なエネルギーに注意を向けます。夜に備えるには、協力するしかありません。天秤座は人のために料理をするのが大好きです。そして彼らは、皆の好みを尊重することを大切にします。天秤座の食卓では、すべてがおいしく、調和がとれていて、見た目も美しいでしょう。前菜、メイン、デザートは繊細な味付けで、ボリュームはありながら重すぎない内容で、心から楽しむことができます」
「天秤座は材料を選ぶのに苦労するあまり、すべてを組み合わせるのが好きです。テイスティングには視覚的な側面も重要なので、プレゼンテーションに失敗することはありません。天秤座が他人の家に招かれると、キッチンを手伝い、鍋の火加減をそっと弱め、おじいさんの話に辛抱強く耳を傾け、おばさんの冗談に優しく笑い、子どもたちのためにトランプを取り出して、ウェイターと戯れるでしょう。これらすべてを同時に、ごく自然にやってのけます」
蠍座
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「日がどんどん短くなり、冬が近づいてくると、ミステリアスで底知れぬ存在である蠍座の季節は、のんびりとした時間に終止符を打ちます。蠍座は強烈な体験を求めており、それは彼らが作る料理にも表れています。彼らは食材に深みを加え、自分のオーラを吹き込んで食材を変化させることを好みます。ストーリーや伝統を語る料理を好み、スパイシーな風味を楽しんで五感を目覚めさせ、印象に残る味を好みます」
「自分のレシピを大切に守りつつも、『ラタトゥイユに何を入れたと思う?』と尋ねる蠍座は、ゲストを驚かせるのが好きです。彼らは中途半端に生きるより、すべてを燃やし尽くすほうが好きなので、蠍座を満足させるには、料理にインパクトが不可欠です。おいしい料理には全力で褒め称えますが、苦手な料理にはそれが表に出るでしょう。たとえ皆が不快に感じても、会話にスパイスを加えることをためらいません」
射手座
「幸運と成長の惑星である木星に支配される射手座は、無限の情熱があり、先を見据え、より大きな夢を描くことができます。冬を目前に控える射手座の季節にちなんで、少し前向きに自己研鑽に励むのも悪くありません。射手座は、野心的な料理で常に挑戦し続けますが、(牡羊座と並んで)世界中に星付きシェフが多くいる星座でもあります。美食家で容姿端麗な彼らは、グルメと魅力的なものはなんでも愛します」
「品質に手を抜かないので、自分の主義にあった高品質の食材を使います。情熱があるからこそ、どんなに小さな料理でも大きな喜びになります。いちど料理を始めると、たとえ失敗したとしても、誰も説得できません。しかし、それが冒険に繋がるのであれば、やり過ぎることを恐れる必要はないのです。他人の家では、活発な議論をしながらどんな食事でも楽しみます」
山羊座
![250210_capricorn.jpg](https://madamefigaro.jp/upload-files/250210_capricorn.jpg)
「人生を山に例えるなら、山羊座はきっとチームの先頭に立つでしょう。忍耐強く、効率的で現実的......。山頂を本当に見通すことができ、努力の成果を測り、その本当のコストを把握できるのは山羊座だけだと言わざるを得ません。だから彼らは一歩ずつ挑戦します。なぜならそれが最善の歩みだからです。彼らに飾り気はなく、生きるために食べるのであって、その逆はありません。そして善良な土の星座である山羊座が、鍋料理に没頭するのを止めることはできません」
「ただし、山羊座は質の高い料理しか作りません。廃棄物ゼロを目指す山羊座は、野菜の余りを使うのに適したレシピを必ず見つけ出します。彼らは忍耐強く、決断力があり、流行には無頓着で、いつでも完璧に仕上がったクラシカルな料理を好みます。そして彼らは口いっぱいに食べ物を詰めながらしゃべるタイプではありません。それに、彼らは食べる時に大きな音を立てる人が苦手です」
水瓶座
「冬が終わりを告げる時期、それが水瓶座の季節です。山羊座が堅固しく機能的なウェディングケーキ"ピエス・モンテ"を作ったとしたら、水瓶座はそれに石を投げ入れて台無しにします。キッチンでは、レシピがあったとしても、ルールに従わないのが水瓶座です。彼らの創作は、天才の傑作であることもあれば、奇妙な集合体であることも。水瓶座は何より実験と革新を好むのです」
「たとえば、朝食にタルト・フランベを食べるとします。しかし、彼らはすぐに飽きてしまいます。テーブルでも同じで、椅子に何時間も座るのは好きではありません。レストランでは、いつも奇妙な料理を選びます。会話同様、彼らの好みも予測不可能なのです。家族との食事では、皆が口論している間に、目を丸くしながらこっそりと機械にコインを入れたりするタイプです」
魚座
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「魚座は黄道十二星座の終わりの星であり、新たな始まりを迎える前に起こる最後の震動です。夢想家、詩人、聖人の星である海王星に照らされた魚座は、さまざまな認識や繋がりに翻弄されながら、感情の海を泳ぎ回ります。彼らはひらめきに従って、材料を組み合わせてレシピを完成させます。心を込めて料理しますが、量のことは気にしません。だから、パスタを作りすぎてしまうのです......」
「でも、足りないよりは多すぎるほうがましでしょう。感情と食べ物、塩と砂糖、芸術とベーコンなど、時にはすべてがごちゃ混ぜになることもありますが、直感に従うことを優先させます。彼らのテーブルでは、すべてのゲストが優しく丁寧に迎えられます。魚座の食欲は感情によって変化しますが(チョコレートのプロフィットロールを食べ過ぎて迷走神経が不快に感じることもありますが)、彼らはいつも愛する人たちに囲まれて楽しんでいます」
* 経済協力開発機構。
From madameFIGARO.fr
text: Clémence Pouget (madame.lefigaro.fr) translation: Eri Arimoto