骨董×食の融合、「レジリエンス」今度の舞台は京都。
Lifestyle 2021.10.29
クリエイティブディレクター、南雲浩二郎による骨董市「レジリエンス」の第3弾が京都のレストラン、ファームーンへと舞台を移し、2021年10月29日(金)から11月7日(日)まで開催される。
中国の古い虫籠、キャンドルは北欧のヴィンテージ。
同じく中国で作られた豚革の箱やインドネシアの漆籠、デンマークのパルシュスの器。
新しい気づきや、現代の暮らしに寄り添う骨董の価値を提示する「レジリエンス」。前回は6月に青山のマホクボタギャラリーで開催され、見事に現代アートとの融合を果たした。今回は食を通じ、訪れる人々の五感を介在しながら、空間全体でこのテーマが成り立つイメージだ。
選ばれた場所は、国内外のアート、文化、デザインと食を繋ぐ発進拠点として異彩を放つ食空間、船越雅代が主宰するファームーン。もともと南雲氏と船越氏の親交が深まったきっかけは、食を通じて互いの価値観に共感したことから。南雲氏にとって、そんな船越氏と骨董と食のコラボレーションイベントを実現することは、ごく自然な流れだったという。
ファームーンは京都の銀閣寺にほど近い、たおやかな空気が流れる場所。山口の永山本家酒造場の自然農酒米の茶粥、奈良の月ヶ瀬健康茶園のお茶、季節のお菓子などが供される。昼は茶楼で予約不要、ディナータイムは紹介制、予約のみ。営業日はインスタグラム(@farmoon_kyoto)で確認を。
「ファームーンのギャラリースペースは2階にあり、しかも大きな吹き抜けになっているため、レストランからの香り、カトラリーの鳴る音、料理を楽しむ人たちの会話による至福に満ちた喧騒…そんな空気感に骨董が交わり息を吹き返す、そんなイメージが浮かんでいます。雅代さんがつくる料理と時を経た骨董を繋ぐのは、今回そこに集まる人々の感性であり時間です」と南雲氏。
食材や調理方法、器の盛り付けに至るまで、船越氏のその時その瞬間に浮かんだイメージで供される。
また、展示される骨董にインスピレーションを得た料理を提供する船越氏も、今回の企画展に際しこんなコメントを寄せてくれた。
「骨董は料理を受けとめる器や道具。そこから先人たちの生活の息吹や遺志を感じながら、実際に使うことで、場所や時間を超えた、いまと繋がる感覚。手に取る時、先入観、主観を持たずに選ぶようにしています。料理を盛る時も、枯葉がはらはらと地面に落ちる様に、あるがまま。素材と器、道具と人とが自然と共存するような姿は美しいですね。南雲さんがレジリエンスで選ばれた骨董品を、食とファームーンという空間がどのように受けて、何が生まれるのか。私自身も楽しみにしています」
藍染でできたボロとガラスのカラフェはアメリカの60年代のもの。質感の異なる組み合わせの妙を愉しみたい。
今回もさまざまな骨董や道具が約100点ほど展示される。モノそのものというより、空間を全体で感じる体験がこのイベントの醍醐味かもしれない。食と骨董を紡ぐ空間が織りなす、時の移ろいや佇まいをぜひ体感したい。
「レジリエンス」
期間:10/29(金)~11/7(日)
会場:ファームーン
京都府京都市左京区北白川 東久保田町9
営)11:00~17:00(10/29〜11/3)、12:00~16:00(11/6、11/7)
※11/4(木)、5日(金)のみアポイント制。info@farmoon.Kyoto.jp にて予約受付。(日時、人数を明記)
※10/29〜11/3は南雲浩二郎が在廊。
text: Akiko Konishi