犬と暮らす 私と犬 黒島結菜、犬と暮らして見つけた幸せなこと。

Lifestyle 2023.06.23

愛情あふれる保護犬との生活で、心身ともにヘルシーに。

コハダ シャディ

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保護施設で最後に残っていたという子犬が、中型犬のコハダ(左)。しつけもトレーニングも黒島が一手に担っている。「2匹とは沖縄帰省もしました。海外のように、飛行機も新幹線も犬と気軽に利用できる日が来ればうれしい」

コハダはいつも、黒島結菜を気にかけている。ふわふわと揺れる茶毛が小ギツネみたいな中型犬で、生後3カ月で黒島のもとに。グレーの小型犬シャディは、物静かに窓の外を眺めている。

「ふたりとも性格がいいんです。最初に来たコハダが留守番でも寂しくないように、成犬のシャディを2年後に、沖縄の保護施設から迎え入れました」

犬を飼うこと自体初めてだった黒島。当時暮らしていた部屋が犬OKだったこと、時間に余裕のできたことが里親になることへの後押しをした。

「それまで、動物保護団体って怒っている人が多い印象でした。時に“なぜ犬を捨てるのか”という強い感情が発信され、こちらが怒られているような気がしたり、譲渡条件の厳しさなどから一歩が踏み出せなかったり。保護犬と人とのハッピーな関係こそ大切なんだと思えたのは、シャディを保護していた沖縄の団体を知ったからです」

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自然と触れる毎日の散歩は、大切なリセット時間。

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ドレス¥66,000/シーエフシーエル ビジューイヤカフ¥15,400/パール オクトパシー(フィルグ ショールーム) イヤリング(両耳セット)¥11,000/グレイ

実年齢のわからないシャディは、13歳くらいかもしれないと最近わかった。

「先日倒れてしまって、老化を実感しました。病院で、今後延命治療をしていくかどうかを考えたほうがいいと言われ、はっとしました」

四苦八苦したコハダの子犬期の世話から、すぐそこに迫りつつある老犬シャディの介護。「忙しいのに」と周りから言われることも多いが、黒島の心を潤わせ心身を豊かに保ってくれるのは、紛れもなくこの2匹の存在だ。

「毎日外の空気を吸って、土の上を散歩します。草むらで虫を追いかけたり、池でカエルを発見したり。都心に暮らしても季節ごとに変わる植物や空気に触れられることを、この子たちが教えてくれました。犬繋がりの友だちもできて、よく一緒に遊んでいます」

朝夕欠かさない散歩や、寝袋に一緒にくるまる休日のキャンプは、自然豊かな沖縄で育った黒島にとってかけがえのないリセット時間となっている。

「コハダは相棒、シャディは先輩(笑)。この子たちは私の原動力で、すべてのモチベーション。苦労を忘れるほど、2匹がくれる目一杯の“大好きだよー!”の気持ちに癒やされています」

どこまでも自然体の黒島を包み込むものは、保護犬への正義感や責任感ではなく、あふれんばかりの幸福感だった。それは喜びのキャッチボールとなって、3つの顔をほころばせる。

Yuina Kuroshima
1997年、沖縄県生まれ。映画『カツベン!』(2019年)で日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。22年、NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」では主役を務めた。出演する舞台『カモメよ、そこから銀座は見えるか?』が公演中。
●問い合わせ先:
シーエフシーエル support@cfcl.jp
フィルグ ショールーム tel:03-5357-8771
グレイ https://graey.jp

*「フィガロジャポン」2023年7月号より抜粋

photography: Masahiro Sambe styling: Yui Shimazaki hair & makeup: Momiji Saito (Eek) text: Miki Suka

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