フランス流の社交マナー、あなたはいくつ知ってる?

Lifestyle 2023.06.25

親族が集まる昼食会、プレゼンテーション、重要なディナー……。パリに行くなら押さえておきたい、あらゆる場面で役立つフランス流のマナーをマダム・フィガロがご紹介。

13manners_580.jpgphotography: Shutterstock

『プリティ・ウーマン』でジュリア・ロバーツが演じたビビアン・ワードと同じくらいナーバスになる。前回、自宅でパーティーを開いたとき、テーブルに着いた人数は13人だった……。つまり、マナーやエチケットは得意分野ではないーーそんなあなたも慌てなくて大丈夫。『le savoir-vivre est un jeu(マナーはゲーム)』(フラマリオン出版)の著者であり、コンサルティング・研修会社「パリ・ビジネスエチケット」ディレクターのジュヌヴィエーヴ・ダンジャンスタンが、どんな状況にも応用できるアドバイスとともに、わかりやすく解説してくれる。

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【自己紹介】

1. 相手の目を見る

「なかには目を伏せがちな国もありますが、フランスではむしろ印象が悪くなります」

2. 挨拶は最も重要な人物、または最年長の人から

自分より年上あるいは上の立場の人に会ったときは、相手が最初の仕草をするまで待ち、自分から握手の手を差し出したりはしないように。こちらは相手のやり方に合わせるのがマナー。相手が男性の場合、通常は握手を求められる。

3. 「初めまして(enchantée)」は避ける

省略形ではなく、「お目にかかれて嬉しいです(je suis ravie de faire votre connaissance)」、「~して光栄です(je suis enchantée de...)」など、完全文を用いる。

4. 「私はマダム~です」とは言わない

自己紹介をするときは、「ジュリエット・デュポンです」というように、自分の姓名を名乗ること。「他人の前ではへりくだるのが礼儀です。文化的には、腰を低くすることで、自分を高めることになります」。逆に相手は「こんにちは、マダム」と応じ、名前は繰り返さない。

5. 控えめな態度で接する

「にこやかでオープンな態度を保ちながらも、つねに控え目であるように心がけましょう。同席者の年齢や職業上の地位に配慮することも大事です。馴れ馴れしい振る舞いは避けるべきです。相手がどのような人かわかりませんから。いずれにせよ、対外関係においては、ある程度控え目な方が、反対の場合より好感を持たれやすいものです」。大声でよく喋るタイプの人は、ぐっと我慢しよう……。

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【会話の最中】

6. 他者に注意を向ける

繰り返しになるが、礼儀の基本とは他人に関心を持つこと。「自分のことをあまり話さないほうが株が上がります。自分のことばかり話すと、品位を下げます。会話はエゴを持ち込む場ではありません。むしろ他者への配慮が大切です」

7. 英語交じりの言い回しは避ける

好印象を与えるためには、シンプルでピュアな言葉遣いを心掛けよう。

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【テーブルで】

8. 男女同数がルール

“社交”のための食事会では、ゲストは男女同数にするのが望ましい。「これはきわめてフランス的な原則です。会話が“ジェンダー化”することを避けるのです」。ビジネス上の会食ではこのルールを厳守することが難しい場合もあるので、「できる範囲内で実践しましょう」。

9. 目的は話すこと

意外なことに、食事中に食べ物の話をするのは禁物。食べることはフランス人の生きがいのひとつなのだが。「フランスでは、“社交”のための食事会は、食べるためではなく、会話をするための場と考えられています」。その理由とは? もともと庶民にとって、食べることは1日の過酷な労働の後でバッテリーを補充するために必須だった。一方、宮廷では食事はそれほど重要なテーマではなかった。アンシャン・レジームの貴族階級の礼儀作法に、革命後にブルジョワ階級が修正を施したものが、現代のマナーの原型になっているのだ。

10. 席順は重要

上下関係や序列も尊重しなければならない……。最も重要な男性ゲストが女性ホストの右側に座り、次に重要なゲストが左側に座る。最も重要なゲストが女性の場合は、男性ホストの右に座る。以下同様に続く……

11. 食べる時

自分の皿に盛られた料理をいただく前に、主催者の皿に目を配ること。なぜならゲストは決して女性ホストより先に食べ始めてはいけないからだ。ただし、女性ホストが「冷めてしまうからどうぞ」と言った場合は別。もちろん、口に食べ物を入れたまま、あるいはフォークやナイフを手に持ったまま話してはいけない。

12. コーヒーはリビングで

自宅で人をもてなすときは、コーヒーを出すタイミングでリビングに移り、食事の後でゲスト同士が交流を深める時間を設けるといい。住まいが小さなアパルトマンの場合は、食後に一度、席を変えるよう提案するのも一案。

13. 退席

ゲストのなかで最も若い人は決して先に退席してはならない。どうしても都合が悪いときは、女主に先に退席する旨をあらかじめ伝えておき、目立たないように席を立つ。とくに、誰かのお祝いの席では、主役より先に退席するべきではない。理由は?「招待客が会食の場を後にすることで、お開き、という雰囲気が生まれてしまうことがあるからです」

text: Julie Falcoz (madame.lefigaro.fr)

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