ビフォーアフター!くたびれた2LDKが超機能的に大変身。

Lifestyle 2023.10.07

パリの平凡でつまらないアパルトマンが、ふたりの子どものいるカップルのための小さなコクーンに生まれ変わった。スタジオ・カスティーユによるリフォームの秘話を公開!

230710Stanislas-Gros-01.jpeg古臭い2LDKを家族用の明るいアパルトマンに一新させる。それがスタジオ・カスティーユに与えられた課題だった。photography: Stanislas Gros

スタジオ・カスティーユのスタイルとは? 光と生きる喜びと流動性をもたらすこと! これが多くのリフォームを手掛けてきた建築事務所の人気の秘密だ。最近もパリ11区の古めかしい薄暗いアパルトマンを、新オーナーの依頼で家族が住む明るい生活空間に生まれ変わらせたばかり。スタジオ・カスティーユ共同創業者のマチルド・アベルと一緒に現場を訪問した。

スタジオ・カスティーユ
www.studiocastille.fr

出発点

「50年代以降おそらく一度も改装されていない、年季の入った暗い60平方mを家族用の明るいアパルトマンに改装することが私たちの使命でした。すでに子どもが1人いて、2人目の出産を控えたカップルのために、寝室はふたつ必要でした。寝室はもともとふたつあったので、手を入れた間取りは、主には玄関と浴室です。玄関とリビングを仕切る壁は、取り壊しのできない耐力壁でした。床板は良好な状態だったので残し、古臭いタイルを取り除きました。空間全体を明るくするために、色は白を基調にしましたが、無機質な印象にならないよう、ピンクベージュ系のパレットと、パステル系のアクセントをプラスしました。全体的にとても温かみのある空間になりました。トイレだけには、色へのこだわりを発揮しています!」

玄関

「玄関はすべての部屋に通じていました。玄関の正面には大きな納戸があり、入って左手には、幅80cmの細長い極小の浴室がありました。左手のふたつ目の扉はキッチン。トイレはキッチンからアクセスするようになっていました。玄関の左側最後の扉は暖炉のある寝室に通じるもの。これは子ども部屋になりました。右手には、リビングの扉と寝室の扉が並んでいました。私たちは、浴室だった空間を、2方向に開口のある収納ブロックに作り変えることにしました。キッチン側、玄関側の2方向から開けられる作りです(コートや買い物かごなどを収納するのに便利です)。キッチンの場所はリフォーム前と変わりません。玄関の壁には本棚を設けました」

230710Stanislas-Gros-02.jpegビフォー:採光性の低い玄関。極小の浴室と手狭なキッチンを含め、すべての部屋に通じている。photography: Studio Castille

230710Stanislas-Gros-03.jpegビフォー:玄関を進んだところ。左手に寝室、右手にリビングともうひとつの寝室がある。突き当たりの棚が、後でとても役立つことに……。photography: Studio Castille

230710Stanislas-Gros-04.jpegアフター:作り付けの本棚のある玄関。オープンキッチンに直接アクセスできる。photography: Stanislas Gros

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キッチン

「キッチンは前と同じ場所にありますが、スペースを稼ぐために、床面積を玄関側に少しだけ拡げました。開放感を与え、向かい側のダイニングスペースのあるリビングとの行き来をスムーズにするために、キッチンと玄関との間の扉は取り払いました。キッチンには玄関から始まる大きな収納ブロックを作りました。奥行きがあるので、冷蔵庫も、洗濯機とミニランドリースペースもこの中です。この収納ブロックの一角にトイレの扉がありますが、オープンキッチンになったので、以前と比べると存在感は軽減されています。この戸棚の対面がシンク下収納と吊り戸棚のある作業スペース。カウンターとして朝食をとることもできる、シンクやコンロと一体になった大きな調理台を設置しました」

230710Stanislas-Gros-05.jpegビフォー:狭くて古めかしいキッチン。トイレの扉がかなり目立つ。photography: Studio Castille

230710Stanislas-Gros-06.jpegアフター:玄関に面したオープンキッチン。大きな調理台はカウンターとしても使える。photography: CASSANDRE

230710Stanislas-Gros-07.jpegアフター:キッチンの左の壁には玄関側からも開けられる収納ブロックが備え付けられている。実用的な収納空間だ。ミニランドリースペースもこの中に。収納の扉はトイレの扉と色使いを合わせて統一感を。photography: Stanislas Gros

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リビング

「リビングはキッチンの向かい側にあり、ダイニングスペースを兼ねています。リビングと寝室を隔てていた壁の位置を動かして面積を拡げました。もともとこのリビングと隣の寝室は同じ広さでしたが、家族が集まるこの部屋は、大きなダイニングテーブルを置き、窓辺にソファのある寛ぎコーナーを設けるためにも、もっと大きい方がいいと考えました。間仕切り壁を移動したことで、寝室の扉の位置が変わったので、塞いだ扉の場所にニッチを作りました。壁の色を白にしたので、とても明るい印象になりました」

230710Stanislas-Gros-08.jpegビフォー:リビングは要検討。photography: Studio Castille

230710Stanislas-Gros-09.jpegアフター:れっきとしたダイニングスペースのある光が溢れるリビング。photography: Stanislas Gros

230710Stanislas-Gros-10.jpegビフォー:うまく活用したらよくなりそうなニッチ。photography: Studio Castille

230710Stanislas-Gros-11.jpegアフター:スタイルが一変。photography: Stanislas Gros

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主寝室

「主寝室はリビングの隣で、玄関からアプローチします。リビングを拡張するために扉の位置をずらしたのはこの部屋です。もともとあったブルーの大きなクローゼットは撤去し、玄関側の壁に沿ってクローゼットを備え付けました。長さが2m50あり、収納スペースをたっぷり確保できました。部屋と一体化した控えめな外観なので安らぎも損いません」

230710Stanislas-Gros-12.jpegビフォー:大きなクローゼットと時代おくれの壁紙。photography: Studio Castille

230710Stanislas-Gros-13.jpegアフター:空間にとけこむ長さ2m50のクローゼットで、収納力のある安らぎの寝室を実現。photography: Stanislas Gros

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浴室

「家族みんなで使える浴室を設けることは、絶対に譲れない一点でした。玄関扉の正面、納戸があった場所に浴室を設置することにしました。スペースを広げるために、扉の位置を少し前に出し、隣の部屋との間仕切り壁もずらしました。浴室はシャワー付き浴槽と、大きな洗面ボウルと鏡がある洗面台のふたつの部分からなります。いつものように、“鏡コーナー”が扉の正面に来るようにレイアウトしました。浴室の扉を開けたとき、浴槽が正面にあるより、洗面台が見えるほうが快適だからです」

230710Stanislas-Gros-14.jpegビフォー:極小の浴室はふたりの子どもがいるカップルの日常生活には不向きだった。photography: Studio Castille

230710Stanislas-Gros-15.jpegアフター:真新しい浴室はかつて納戸があった場所に! photography: Stanislas Gros

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▶︎ビフォーアフター!パリのアパートを洗練された邸宅に。

 

text: Vanessa Zocchetti (madame.lefigaro.fr)

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