種類は豊富にあれど......本当に健康的と言えるヨーグルトは?
Lifestyle 2025.01.05
ヨーグルトは一見、どれも同じように見えるかもしれないが、栄養面では必ずしも同じではない。スーパーでよりよいヨーグルトを選ぶために、栄養士のアドバイスに耳を傾けてみよう。
朝食の定番であるヨーグルトは、プレーンが好みの人もいれば、果物やミューズリーと一緒に食べる人もいるだろう。フランス全国酪農経済センター(Cniel)が2023年に調査した消費者科学分析(CSA)によると、フランス人の10人中8人がヨーグルトを食べると回答したという。乳製品とはその名の通り、乳(牛、羊、またはヤギ)を発酵させて作られたものだ。しかし、乳製品の販売コーナーには、フレーバーヨーグルト(フルーツ、バニラ、さらにはチョコレート風味のものも)のほか、プティ=スイスなどのフレッシュチーズ、そしてアイスランドの国民食スキールのように凝乳(カード)から作られたバリエーションもある。選択肢が多いと、どれを選べばいいのか疑問に思うこともあるだろう。
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それぞれに利点がある乳製品
ひとつひとつの乳製品を区別するには、まずそれらの成分を詳しく調べる必要がある。なぜなら、いずれも「同じ栄養価を持っているわけではありません」、と栄養士でNAPSO療法の創始者であるローレンス・プルーム博士は語る。一般的なヨーグルトには、タンパク質、カルシウム、そしてブルガリア乳酸菌とサーモフィルス連鎖球菌が含まれている。「これらは10億個以上の生きた善玉菌に相当し、私たちの腸内フローラを豊かにする優れた製品です」と博士。この原則に従えば、ヨーグルトは消化を促すのに有益だと言えよう。
スキールやプティ=スイスのフレッシュチーズ、またはギリシャヨーグルトは、一般的なヨーグルトよりも濃厚な食感が特徴だ。それらは、レンネット(動物由来の凝固剤)または乳酸発酵物をベースにした牛乳を凝固させたり、フロマージュブランの場合はクリームを加えることで製造される。「ヨーグルトよりもカルシウムは少ないものの、タンパク質は多く含まれています。より満腹感を得たい人、筋肉を増やしたい人にとっては、興味深い商品かもしれません」と、博士は述べている。近年、食品売り場に並ぶようになった、高タンパク質を謳う高価格帯ヨーグルトと競合するが、価格を除けばこれらの製品の違いはさほどないと彼女は指摘する。
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すべては摂取量次第
プレーンヨーグルト、フロマージュブラン、スキールのどれを選んでも、これら3つのヨーグルトはどれも同じように健康に有益であり、大人は2個(子どもは3個)食べるとフランス公衆衛生局が公式に推奨する1日あたりの乳製品摂取量に達するため、毎日の食習慣にするといいだろう。ただし、これらの製品の脂肪摂取量には注意する必要がある。脂肪があると、当然カロリー量が増えるからだ。「使用する牛乳の種類によって異なります。半脱脂乳の場合、ヨーグルト1瓶あたり脂質が2グラム含まれます。全乳の場合は、この割合が2倍になります」と彼女は説明する。特に、フロマージュブランのようなクリームが入ったものは、脂肪分も増えるが、博士によると、1瓶あたり約5グラムが脂肪分だという。
結局のところ、問題になるのは摂取量だ。「コレステロールが多く、体重を減らしたい場合は、コレステロールに気を付けて、食べ過ぎないように注意する必要があります」と彼女は続ける。「全乳ヨーグルトを2杯食べると、10グラムのバターを飲み込むのと同じです」。なにより重要なのは、これらのヨーグルトをバランスの取れた健康的な食事に組み込むことだ。「いちばん良いのは、シンプルなプレーンヨーグルト (できれば半脱脂乳) です。プレーンヨーグルトは風味と栄養価のバランスが非常に優れています」
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避けるべきは、フレーバーヨーグルトと植物性ヨーグルト
プレーンヨーグルトを好まない場合は、果物入りもしくはフレーバー付きのヨーグルトに切り替えてもいいのだろうか? 「本物のフルーツや香料が含まれているかどうかに関係なく、実際、これらの製品は非常に甘く、1容器あたり角砂糖2個に相当する量が含まれています。これは多過ぎです。1個で十分です」と博士。どうしてもヨーグルトそのままの味に耐えられない場合は、市販のフレーバーヨーグルトの過剰な糖分レベルに達しない程度に、少量の砂糖 (最大で小さじ1杯)や新鮮なフルーツ、または少量の蜂蜜で味を調えるのがいいだろう。
植物ベースのヨーグルトは、乳糖不耐症の人やビーガンの美食家に支持されているようだ。ココナッツ、オーツ麦、大豆、ヘーゼルナッツといったものから作られたヨーグルト製品は、おいしいものの、従来のヨーグルトやフロマージュブラン、その他の乳製品の栄養特性が皆無で、タンパク質とカルシウムはほとんどないと覚えておきたい。「(植物ベースのヨーグルトは)実は発酵野菜ジュースなんです。これらの製品を信じるなら、カルシウムが豊富な乳製品を摂らなくなり、骨粗しょう症の危険に晒される可能性もあります」と博士は警鐘を鳴らしている。言うまでもなくこれらの製品は、砂糖が過分に添加されている。
これらのことから言える、我々にできる大切なことは、ラベルを注意深くチェックすることだろう。そして、分かりやすい表示のもの、そしてカルシウムが豊富なものを選択することだ。
From madameFIGARO.fr
text: Tiphaine Honnet (madame.lefigaro.fr) translation: Eri Arimoto