ロックフォールは他のブルーチーズとどこが違う?

Gourmet 2019.01.16

「ロックフォール」といえば、霜降り状の青いカビが特徴。けれどロックフォール以外にも、フランスには「ブルー」と呼ばれるチーズが他にもたくさんある。いったいどこが違うのだろう? 国家最優秀職人章(MOF)チーズ部門の称号を持つローラン・デュボワに教えてもらった。

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ふたつのチーズの違いは? photo:iStock

ロックフォールもその他のブルーチーズも、青カビタイプのチーズ。そのために混同される事が多いのだが、両者には大きな違いがある。

ロックフォールの名は日本でもよく知られているだろう。1925年にチーズで初めてAOC(原産地呼称)を獲得したロックフォールは、誰もが認めるフランス・ガストロノミーの代表的存在だ。AOC憲章によると、ラコーヌ種(タルヌ県にある同名の村にちなむ)の羊の生乳を原料として、オード県、アヴェイロン県、ガール県、エロー県、ロゼール県、タルヌ県で作られたものだけがロックフォールを名乗ることができる。「市場に出回るシーズンは11月から6月の間です」とデュボワは説明する。味はというと、「バランスの取れたまろやかな味です。独特のカビの味を、羊乳がやわらげてくれるためです」

一方、「ブルー・ドーヴェルニュ」「ブルー・デ・コッス」などのその他のブルーチーズは、牛乳が原料。そのため、ロックフォールより黄色がかった色合いが特徴だ。「舌触りはよりクリーミーで、熟成具合によっては風味も強くなります」とデュボワは説明する。ロックフォールとは違い、これらのブルーチーズは一年中市場に出回っている。牛乳の生産量が多いためと、熟成を工場でも行えるからだ。「それに対してロックフォールの熟成は、決められた天然のカーブ(洞窟)――アベイロン県のロックフォール・シュール・スールゾン村にある洞窟――で3カ月以上行わなければいけません」

というわけで、ロックフォールは他のブルーチーズとまったく別物なのだ。

texte:Keisha Mougani (madame.lefigaro.fr)

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