おうちご飯が楽しくなる、テイクアウト日記。#01 おいしいお肉のテイクアウトでスタミナ補給。

外出自粛要請に伴い、多くの飲食店がテイクアウトを始めている。大好きな行きつけから、予約の取れない人気店、近所の隠れた名店まで。再びその空間で店主やスタッフと交流し、気のおけない人たちと料理を囲む日まで、テイクアウトして自宅で本格料理を楽しんで。フードライターが自らテイクアウトしたおすすめをご紹介。第1回は「フィガロジャポン」の連載「今宵もグルマンド」をはじめ数多くの媒体でレストランや料理人の取材を行ってきた森脇慶子さんによる5軒。

選・文／森脇慶子（フードライター）

1. ア・ニュ Shohei Shimono（広尾）

お弁当も保存のきく惣菜も、本格派。

「トムヤム ズワイガニラーメン」￥1,200と「上州牛ローストビーフ」100g￥1,800

2019年8月、カウンター中心のオープンキッチンにリニューアルした広尾のフランス料理店「ア・ニュ Shohei Shimono」。それと同時に、メニューも「石垣牛とトリュフのオムライス」や「オマール海老のトムヤムクン」など、フレンチをベースに多ジャンルの味を取り入れたオリジナルテイストにシフトし、評判を呼んでいる。

そんなレストランの味を気軽にテイクアウトできるのもいまだからこそ。ズワイガニのコンソメをベースにしたスープがリッチな「トムヤム ズワイガニラーメン」（￥1,200）のほか、赤身の旨味が強い上州牛のザブトン（＊）で作った「上州牛ローストビーフ」（￥1,800）、「石垣牛のテールシチュー」「頬肉のシチュー」（各￥1,500）など、バラエティ豊かな品揃えもうれしい。レストランで使っている長野「大島農園」のおいしい野菜も同時に販売。自炊派におすすめだ。

＊ザブトン：肩ロースのあばら骨側にある、サシが入っていて柔らかい希少部位。

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2. 炭火焼肉 なかはら（市ヶ谷）

人気店のコースの肉がお弁当に！

「炭火焼二段重弁当」（限定40食）￥5,000

予約が取れない人気の焼肉店、市ヶ谷「炭火焼肉 なかはら」。そのお弁当というだけでも垂涎ものだが、「炭火焼二段重弁当」には名物の幻の牛タンをはじめ「なかはら」の顔ともいえるサーロインなど、店のお任せコースで出している肉とまったく同じ内容の6種類が、タレと塩のふたつの味に分けて詰め込まれている。加えて牛肉そぼろや肉団子、唐揚げも入り、これで￥5,000はかなりなお値打ち。

実は最近まで、「頑張れ日本弁当」も限定20食で￥500で提供しており、こちらは大好評につき販売終了。そんな奇跡のようなお弁当が実現したのも、ご主人の中原健太郎さんの男気のなせる技といってよいだろう。

炭火で焼けばこその香りと中原さんの絶妙な肉のカッティングがおいしさの秘訣。元気が出ること請け合いだ。

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3. ステーキダイニング ヴィティス（中目黒）

旨味を閉じ込めた炭火焼ステーキ。

「Vitis特製ステーキ重」￥3,780

炉窯焼ステーキの隠れた名店「ステーキダイニング ヴィティス」。耐火煉瓦を組み上げた特製の炉窯で焼く厚切りのステーキが評判の一軒だ。厳選した黒毛和牛の雌牛のみを使ったステーキ肉をたっぷり120gも入れた逸品が、この「Vitis特製ステーキ重」。

「肉は炭火焼がいちばん美味。余分な脂が落ちてヘルシーなうえ、炭に落ちた脂の効果で肉が薫香を帯びより旨くなる」とは、オーナーシェフの結城壮平さん。しかも炉窯で焼くことで、遠赤外線はもちろん輻射熱の効果も大。内に旨味を閉じ込めたまま外はカリッと焼き上がる。冷めてもなお風味高く肉質は柔らか。ジワリと広がる旨味の余韻は上質な肉を使えばこそ。同じく炉窯で作るホットスモークサーモンを炊き込んだご飯も、この店ならではの味わいだ。

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4. 肉匠堀越（西麻布）

かつて見たことのない、肉のお弁当。

「堀越の肉ばらちらし」￥6,480。黒タン入り￥8,640も用意。

「おいしさはもちろん、ビジュアルを含めてどこにもないような肉のお弁当を作りたかったんです」とは、知る人ぞ知る西麻布の名店「肉匠 堀越」の末富信さん。テイクアウトで提供する「堀越の肉ばらちらし」は、焼肉をベースにしながらも、牛テールスープの茶碗蒸しや肉の炊き込みご飯など、和のテイストをさりげなく加味した同店ならではの逸品だ。

ロゼ色も美しく弁当の表面を覆うのは、サシの入り具合も見事な神戸太田牛のザブトン。そしてイクラや、食感のアクセントとなるタクアン、旬のタケノコなどが所狭しとご飯を埋め尽くしている。真空調理で火を入れた肉は、さらに表面に油をかけ回しつつ焼き色を付けて芳ばしさをプラス。周りはカリッ、中はしっとり柔らかく仕上げられている。昆布と干しシイタケで旨味を足した御飯とともにいただけば、心もお腹も満たされるはず。

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5. うしごろバンビーナ 恵比寿本店（恵比寿）

人気の期間限定メニューがテイクアウトに！

「和牛ガーリックライス」￥1,296（手前）と「極上赤身ステーキ弁当」￥3,780（奥）

ちょっぴりおこわにも似たもちもちの食感とガーリックの香りが食欲をそそる、「うしごろバンビーナ」の「和牛ガーリックライス」。昨年の夏に季節メニューとして登場、人気を博した一品がリバイバル、テイクアウト弁当となってお目見えした。

端肉とはいえ、A5の黒毛和牛を使った風味の豊かさもおいしさのゆえん。冷めたままでもいいけれど、電子レンジやフライパンで温め直せば旨さ倍増。いっそう香り豊かに楽しめる。それも、自家製ガーリックオイルとサーロインの牛脂で炒めていると聞けば納得。米も魚沼のコシヒカリと抜かりなし。お皿に盛り付け、目玉焼きでものせればレストラン気分でいただけそう。そのほか、「極上赤身ステーキ弁当」（￥3,780）や「うしごろ特製すき焼き弁当」（￥2,700）もある。

※この記事に記載している価格は、軽減税率8％の税込価格です。

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