サステイナブルなチョコ、「エコレート」をいただきます!
Gourmet 2021.04.30
世界中で愛されるスイーツのひとつチョコレート。でも、その生産の裏側には、長年にわたりカカオ農園で働く人々や環境への配慮が十分に行われていない。そのうえ、近年ではカカオの国際相場の低迷もあり、生産者であるカカオ農家の貧困問題が深刻に。これが「チョコレート危機」として危惧されており、このままでは2050年までにチョコレートが食べられなくなってしまう恐れも。
そこで、LIFULL(ライフル)は、飲食事業のライフル・テーブル・プレゼンツ「地球料理 -Earth Cuisine-(アース・キュイジーヌ)」プロジェクトの第3弾として、フーズカカオと協業。「カカオの廃材」を使用したサステイナブルで新しいチョコレート「ECOLATE(エコレート)」をライフルのECサイトにて予約発売を開始した。
江藤英樹が開発したのは、カカオ豆の殻、枝、葉から生まれた新しいひと口チョコレート。左:カカオ豆の殻の含有量50%、カカオ豆の殻を感じる食感と、ビターな香ばしさ。中:枝の含有量20%、ほのかな枝の香りと食感で、舌の上に木々を感じて。右:カカオ豆の殻・枝・葉の含有量30%、まるで森にいるような香りと3種の素材が新しい食感。「エコレート カレ」¥2,200
今プロジェクトでは、注目を集める人気若手パティシエ江藤英樹(「unis」シェフパティシエ「Social Kitchen」プロデューサー)および上妻正治(「Social Kitchen」ディレクター)とタッグを組み、一般的にチョコレート製造で用いられるカカオマスやココアバターを使用せず、通常廃棄されてしまうカカオ豆の殻、枝、葉を使用することで、2種類のエコレートを開発。7割が廃棄されているといわれる「カカオの廃材」に新たな「食材」としての価値を与えることで、農家の貧困問題を解決する第一歩にできないか、カカオ農家にとっても新たなエコシステムを構築できないかと考えている。
2018年にライフルが立ち上げた「地球料理 アース・キュイジーヌ」プロジェクトのコンセプトは、「持続可能な社会を叶える、LIFEを見つめ直す、一皿を」。消費者だけではなく、シェフ、その先にいる生産者、さらには地球環境も含めて、すべてのステークホルダー(利害関係者)が幸せになれる「新しいおいしさ」をクリエイションしてきた。「食べておいしいといういままでの当たり前の価値観を超えて、”エコレート”を食べることを通して、いままでのLIFEを見つめ直す機会になれば」とライフルCCOの川嵜鋼平は語る。新しいチョコレートのおいしさとともに、カカオ農家の実情を知るきっかけとして、ぜひトライしてみて。
上妻正治が開発したのは、カカオ廃材含有量33%、カカオ豆の殻から生まれた板チョコレート。カカオとココナッツが織りなす豊かな風味が、口いっぱいに広がり、ほろ苦い甘さの中に酸味を感じさせる。カカオ豆の殻の歯応えとその後に続く滑らかな口どけを楽しんで。「エコレート タブレット」¥1,760
texte : NATSUKO KADOKURA